**星十字教会**とは、稀人の世界に存在していた一神教が、この異世界の多神教と混ざり合って成立した世界宗教である。
星と十字架を象徴とし、現在では広い地域に信仰を広げている。
その成立時期ははっきりしていない。一説では、すでに滅んだ旧文明の時代から存在していたとも言われている。
しかし旧文明に関する文献はほとんど残されておらず、現在確認できるのは、遺跡――いわゆるダンジョンや、アーティファクトと呼ばれる旧文明の遺物に残された断片的な記録だけである。
星十字教会の大きな特徴は、天使と悪魔の存在を中心にした独特の世界観にある。
天使は神に仕える下僕であり、悪魔は神に敵対する存在とされる。そして両者は、宇宙における善と悪の均衡を巡って争い続けている。
この善悪二元論的な教義は、異世界の住人にとって非常に珍しいものだった。
さらに、星十字教会が説く「慈愛」の概念は、多くのモラリストたちに受け入れられ、教会は急速に信仰を広げていった。