大葉奈　京庫

天延元年の或る日或る時、かつて左大臣を務めた源高明は都を一望できる如意ヶ嶽の麓にいた。数年前に安和の変で失脚し大宰府へ流された後、昨春に転機が訪れ帰京を果たしたが、その複雑な胸中…

かつて織田信長を撃った男が、まだ生きていた。三代目服部半蔵は、駿府城から江戸幕府を操る大御所徳川家康の密命を受け動き出す。

平安から鎌倉へ。激動に揺れた時代。自らの愚かさと歴史に翻弄された怪僧の夢幻の時。

今はもう半世紀に届こうかという歳になってしまった大人たちが、懐かしい十代だった若かりし頃に想いをはせると、馬鹿々々しくも面白すぎる強烈な出来事に気づくはめに……。

東京から千葉へ引っ越すことになったある日、小学生の少女は広い青空にUFOを目撃する。

室町時代中期の日本、備前の宝福寺、一人の僧が自身の数奇で波乱に満ちた半生を回想していた。 ユーラシア大陸の草原で生まれ育った遊牧民としての幼少期の記憶が蘇る。