第37話から第39話にかけて、湊は出航前に必ず製氷所の煙突を見ています。今回はその煙について、少しだけ補足させてください。
煙は風に流されるので、昔から身近な風見として使われてきました。地上で感じる風と、少し高いところを吹く風とで、向きや強さが違うことは珍しくありません。まっすぐ上がった煙が途中で折れて見えるのは、ちょうど風の境目に差しかかったしるしです。
作中では、海面近くの風と上の風がずれる高さに霧が帯になって溜まり、港口へ降りてくることがあります。予報画面が定刻出航で問題なしと示す朝でも、湊が煙突から目を離さないのはそのためです。
ただ、煙だけで決めることはありません。鳥の高度や泡の列と重ねて読むのが湊のやり方です。次に港の場面が出てきたら、煙の折れ方にも目を向けていただけると嬉しいです。
『勘で物を言う男に給料は払えない』はこちらから読めます。
https://kakuyomu.jp/works/11054822662546690983
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