文章を書いたことがない人に作者の心情なんてわかるんですかとバイト先の生徒に煽られて書き始めた物書き。 結果、わかったことは体力とブラインドタッチのスピードが全てで、肝心の心情はラットレースに巻き込まれた憐れなハムスター。 一時間で一万文字くらい打てるようになるのが当面の目標です。そうすれば一日で24話投稿できるやんと阿呆な妄想をし続ける日々。 くだらない妄想話を僕と一緒に楽しんでくれたら幸いです。
HJ小説大賞2021後期受賞作、『一撃の勇者』がHJノベルスより好評発売中。 2023年11月17日に第二巻が発売されました! ※Kindle Unlimitedで『一撃の勇者』の第一巻が無料化されました!もし良かったら読んでみてください!コミカライズ企画も進行中です! https://novelup.plus/features/ichigeki 主にファンタジーとラブコメを書きます。
春は素晴らしい。 鼻孔をくすぐる沈丁花の香りに弾む君の笑顔を、桜が讃える。 夏が待ち遠しい。 僕の名を呼ぶ君の声に、蝉時雨も蚊帳の外へと消える。 秋が待ちきれない。茜色の空を眺める君は灯火のように儚く、美しい。 冬は 「お前、何気持ち悪い文章書いてんの?」 はんじょう!? え、どうして?いつの間に? 「いや、ここ楽屋だろ。台本読んでんのかと思ったら気持ち悪りぃ。春だの夏だの、お前引きこもってるから分かんねえだろ。」 はんじょう、それは文学に対する冒涜だよ。 「好きな子でも出来たのかよ。」 そ、それは。 「まぁいいや。ほら、リハーサルの時間だから行くぞ。」 楽屋から去る背中に言葉は出ず、溜め息と共に紙は丸めて窓から投げ捨てた。 春風に乗り紙屑は青空を舞う。 2人の恋の行方は、捨てられた紙屑はどこへ向かうのか。 おにやの本当の気持ちを唯一知る紙屑にもその行方は分からない。 冬は忘れない。はんじょう、君が産まれた季節だ。