前略 クライアント様
この度、私の長編小説デビュー作がKADOKAWAメディアワークス文庫より刊行される運びとなりました。
お差し支えなければ、献本させていただいてもよろしいでしょうか。
現在おもに20代からの女性に愛読されている『異世界恋愛』というジャンルのライトノベルで、流行の【溺愛ざまぁ】という作風を踏襲した作品でございます。
溺愛ざまぁとは、古来の因果応報・勧善懲悪をより誇張化した表現により、『不幸な境遇にあったヒロインが愛され幸福をつかみとり、一方でヒロインを貶めた悪役たちが完膚なきまでに没落していく様』を描くというストーリーラインの作品です。
普段の私の入稿物とはかなり様子が異なっており、ご鑑賞に堪えうるものか不安ではございますが、全身全霊で書き上げました。
日頃よりお世話になっているクライアント様に、恥ずかしながらお受け取りいただきたく存じます。
何卒、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
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というような文面と共に、日頃お世話になっているクライアント様方に【氷の侯爵令嬢は、魔狼騎士に甘やかに溶かされる】の献本をさせていただきました。
ライター業とラノベ業とが重なることがこれまでなかったので、我ながら不思議な心境です。
とても温かくお受け取りいただき、感謝を言い尽くせませんでした。
……というわけで。
献本も無事に済み、書籍刊行までカウントダウンで生きた心地のしない越智屋です。
現場からは、以上です。