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    バカな勇者たち

    舞台は1985年、東京・南多摩。 テレビとラジオが輝き、ロックとアイドルとプロレスが少年たちの血を熱くしていた時代。 主人公は音楽マニアの中学2年生・本村英治(通称A治)。 親友の料理好きコーサク、町工場で働きながら定時制に通う大ちゃん、いきり屋のイッチー、怖がりのたけちゃん、世渡り上手のきんちゃん、そしてどこか影を抱えた仲間たち――。 彼らは自分たちを“勇者”と名乗りながらも、実態はただの無鉄砲な中学生。 心霊スポット「首無し地蔵」への肝試し、立ち入り禁止の旧米軍基地跡への潜入、盗まれたロードバイクを追う賞金一万円の大捜索、多摩川の巨大魚伝説、夏祭りの暴走族、そしてキャンプ場でのケンカと和解――。 時には1985年の現実―― あの夏の航空機事故や、冷戦の空気、町工場の不況、家族との衝突といった“重たい現実”が、少年たちの背中に影を落とす。 それでも彼らは走る。 転び、笑われ、怒鳴られ、殴り合い、泣きながらも、また翌日には自転車をこぎ出す。 A治にとっての“強さ”とは何か。 空手と音楽はどう結びつくのか。 父との確執、仲間との衝突、そして町に流れる一曲のテーマソング――『オレたちの讃歌』。 バカだけど、本気。 無謀だけど、純粋。 不器用だけど、誰よりも真っ直ぐ。 『バカな勇者たち』は、 昭和の終わりを駆け抜けた少年たちの、汗と土とラジオの匂いがする青春群像劇である。

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