はじめまして。呑川一服(のみかわ いっぷく)と申します。
初回なので少し長めになりますが、語ろうかなと思います。
9月8日。
ふと思いついた私は、約十年ぶりに本気で小説を書き始めた。当時小説を書く時に使っていたメモ帳アプリはまだあった。
物語を書く時、私は言わせたいセリフや書きたいシーンばかりが先行して思いついて、そこに至るまでの過程を考えるのはめんどくさがる。
とはいえ、なんとか頑張った末にやりたかったシーンまで綺麗に繋げられた時の快感がクセになり、結局狂ったように書き続けてしまう。
久しく忘れていたこのドーパミンの放出に溺れつつ、私はまるで飲み込まれるように執筆した。
初日のメモ帳アプリのスクリーンタイムは12時間57分だった。
三日間ほどそんな調子でスマホをタップし続けて、32000字ほどの小説の冒頭ができた。
書きたいシーンを書けて、一旦満足した私はスマホを閉じて天井を見ていた。
いつもそうなんだ。書くだけ書いたら満足して、ほったらかしてしまう。悪癖だった。しかも、プライドが高くて誰かに見せるのもどこかに投稿するのも少し気恥ずかしい。
でもその時は、「三日間寝食も忘れ、四六時中書いたんだから、このままにするのは少し勿体無いかな」と思った。
悩んだ末に、私は遠方に住んでいる友人Kに連絡した。
自分から連絡したというのに恥ずかしがって「先にお前の小説を見せろ」という我儘な要求にKは快く応じてくれた。
私は自作小説を見せてくれたKに満足し、しっかり後出しで3万字越えの小説を送りつけた。
Kの第一声は「どこに応募する?」だった。
「いや別にそんなつもりで書いたわけじゃねえから」といいつつ私は内心めちゃくちゃ喜んでいた。どこかに出したほうがいいと思ってもらえることは素直に嬉しかった。
その後はほぼ毎日電話で、各シーンについて語り合ったり、修正案を出しあったり、ペンネームを考えたり、まるで文芸部のようなことをして楽しみながら過ごした。
Kは「このキャラがアニメ化したらどのキャラをどの声優にする?」などと言って無責任に私を喜ばせた。
「解釈不一致だわ。作者が言ってるだけだろ」と言われた時はそのセリフほんとに聞けることあるんだと大興奮した。
誰か一人でも期待してくれているというのは本当にすごいことで、私は何日間でも燃え尽きず毎日6時間〜12時間ほど執筆を続けた。
毎話出来るたびに送りつけて、Kに感想をもらう。
私はその感想に一喜一憂し、喜怒哀楽に振り回されながらさらに書き続けた。
Kはその間にWeb小説サイトを調べ、カクヨムと小説家になろうに投稿することを決め、アカウントの管理を始めてくれた。
そうして出来たのが、「不屈のエルマ」です。
よろしくお願いします。