陸軍三長官会議ーー軍部大臣現役武官制の実現システムです。物語の中で石橋湛が語った「臨時軍事費特別会計」が軍部の財政におけるフリーハンドだとすれば、命令系統でのフリーハンドが「帷幄上奏権」であり、人事におけるそれが軍部大臣現役武官制でした。
それを権威づけるのが陸軍省参謀本部教育総監部関係業務担任規定です。明治国家は天皇大権を輔弼する内閣と輔翼する軍部に分け、輔弼する内閣は各大臣に分けて総理大臣に権限を渡さず、軍部は軍部で陸海軍が分かれ、陸軍内部も三分割されていました。
まさに無責任の極みであり、個別の小さな拒否権で全体が動かなくなり、周囲の環境変化に付いていけない以上、亡国に至るのは必然であったかもしれません。それを稔子女王が敗戦して初めてしがらみを跳ねのけるという笑い話にもならない状況だったのです。
もうひとつは、戦後のフィクサーとなる児玉誉士夫ですが、いろいろなところから秘密資金が集まってきます。戦後保守政治もそうした後ろめたいお金を集めて動いていくのですから、金権にまみれても仕方ないのかもしれません。