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　死にかけたら犬として拾われた。 　屋敷の主と俺は顔が似ている。だから拾ったのだろうか。 　拾われた理由は分からない。主が俺を犬と呼び、可愛がる理由も、分からない。 「アンタ、な…

記憶を失った状態で、俺は異世界へと辿り着いていた。 何も知らない俺に、俺のことを知っているチェシャ猫は静かに告げる。 「アリス、白ウサギを探して」 俺の記憶はそこにある。

　同じ部活に所属する後輩が押し掛けてきた。 「失恋しました。祝ってください」 　まるで意味は分からないが、梃子でも動かない様子の後輩に、渋々祝ってやることにした。

公爵令嬢レオーネと、王太子殿下アルフレッドは婚約しているが仲が悪い。有名な噂で、事実だった。 「お慕いしておりますけれど、今更伝えられません！」 婚約破棄の気配を感じ、素直に…

憧れも友愛も、恋との違いが分からなかった。でも確かにあれは恋だった。 好きだった彼女と次第に距離が離れていく。その度に好きになっていく。 実際あった話を鬱憤晴らすために書きまし…

　罪を贖うために騎士になった。 　国の為にと働いていたら、いつの間にか騎士団長と呼ばれていた。地位が上がっても嬉しくない。 　ただ罪を贖い続けるためにまた働いた。 　そんな俺に…