小学1年生。私はいじめられていた。
「お前の髪なんで黄色なんだよー」
「眩しいからあっち行けよ」
「目青いの気持ち悪い」
特に、同じクラスの男の子3人が毎日のように悪口を言いに来ていた。
どうして、そんな酷いこと言うの?
この髪も、この目も生まれたときからママとお揃いの色だった。
悲しかった。
この髪と目のせいで仲間外れにされる。
「うわ、泣いてるー」
「きもー」
「バケモノだ」
私はその場にうずくまることしかできなかった。
怖くて言い返すことができなかった。
「大丈夫?」
その時、私の上から優しい声がかかった。
「ぐす……っ、だれ?」
顔を上げると男の子が立っていた。
「萩野悠成。君は?」
「……宵月栞」
「栞はなんで泣いてるの?」
彼が膝を曲げて私と視線を合わせてくれる。
「私の髪も目も気持ち悪いって。私ってバケモノなのかなぁ?」
瞳から涙が溢れる。
「バケモノじゃないよ」
「え、」
「栞はバケモノじゃない。その髪も目も可愛いと思う」
彼はそう言って私の頭を撫でてくれた。
それが、優しくて、暖かくて、また泣いてしまった。
「ご、ごめん!嫌だった?」
「ううんっ、嬉しくてっ」
慌てて謝る彼に私は勢いよく頭を横に振る。
「そっか」
彼はまた撫でてくれた。
「おい!誰だよ、お前!」
「バケモノの仲間か!」
「気持ち悪い!」
私をいじめていた男の子達が今度は彼を標的にする。
私は申し訳なさでいっぱいいっぱいだった。
心の中でごめんなさいごめんなさいと何度も繰り返す。
「ちょっと待ってて?」
彼は一言私に告げて立ち上がった。
「やるのか?」
「3対1だから負けないぞ!」
「来てみろよー!」
彼は男の子たちの元へ歩いて近づいて行った。
あ、危ないよ?
「ねえねえ、ちょっと耳かして?」
彼は唐突にそんなことを3人に言い出した。
3人は警戒しながらも耳をかす。
彼が何かを言っていた。
すると、だんだんと3人の私を見る目が輝いていく。
「栞ちゃんってロボットだったの!?」
「栞ちゃんすごい!」
「栞ちゃんかっこいい!」
3人が私を囲んではしゃぐ。
「え?ええ?」
あまりの態度の変わりように困惑した。
すがるように彼に視線を向ける。
「栞はハーフでしょ?だから、日本人と外国人の血が合体したんだよって言ったらロボットって勘違いしちゃった」
能天気に笑う彼。
ハーフだとか外国人だとか、言っていることはよく分からないけど、彼が助けてくれたのは分かった。
かっこいい。
あれ?体が熱いよぉ。胸もドキドキする。
何これ?
「悠成、ありがとう!」
私は悠成に抱きついた。
あ、好きになっちゃったんだ。
優しくて暖かい悠成のことが。
「悠成、だいすきっ」
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間違えて普通の公開にしたわけじゃないです!
最初だったんで、こんなふうにやりますよーって感じです(語彙力散歩中)
次からはサポーター限定で行こうかなって思います。
頻度としては週一でできたらいいなって思ってます。
あ、side千夏とside鈴鹿もあります!
読んでいただき、ありがとうございました!