言葉が、怖かった。
声を出すことさえ、痛みと隣り合わせだった。
次回、第4章では――
心を閉ざしてきた少年が、はじめて彼女の名前を知る場面が描かれます。
それは、ただ名前を聞いただけのささやかな出来事。
けれど、その小さな「呼びかけ」が、
彼の記憶の底に沈んでいた“壊れた声”を静かに揺らします。
本当に言葉を失ったのは、いつだったのか。
どうして声を出すのが怖くなったのか。
そして、彼女は沈黙の中で、何を見つけてくれたのか――
静かでやさしい時間の中で、
言葉の痛みと、ぬくもりの気配を、少しずつ描いていけたらと思っています。
7月25日(金)20時。
そっと、お待ちいただけたら嬉しいです。
#僕の声を君にだけ