この物語を書き始めたのは、2016年の12月からでした。
今から五年以上も前のことになるんですね。
デビュー作である「冒険家になろう!」よりも、執筆していた時のことをはっきりと思い出せます。
一日36000字書いたこと。二ヶ月で80万字書いたこと。そのせいで体がおかしくなったことなどなど。
(ずいぶんと過激な執筆活動をしていたので、嫌でも覚えています……)
初めて投稿した時には、心臓がバクバクして落ち着きませんでした。
ブックマークが増えたらどうしよう、打診が来たらどうしよう!
ありもしない未来に、胸を膨らませていました。
けれど結局、この物語は今日まで、日の目を見ることはありませんでした。
ブックマークは増えず、出版打診だって来るはずもなく。膨らんだ胸は、あっという間にしぼみ、指先が冷たくなっていきました。
将来性がなく、管理に手もかけられなかったため、結局私は底辺魔術士を自らの手でWEBから削除しました。
このようにして、底辺魔術士は一度死にました。
そんな底辺魔術士が息を吹き返したのは、とある編集さんからのお声がけからでした。
具体的な内容は守秘義務に拘わるため割愛しますが、その編集さんが底辺魔術士を生き返らせてくださったのです。
一度死んだ自分の子が復活するような、そんな感動を味わいました。
底辺魔術士に、再び命を宿してくださったのは編集さんだけではありません。
構成の藤代白様、漫画家のおりしま美城様、新潮社様、BSStudio様など。
みなさんが底辺魔術士を愛して、より面白く、魅力的になるように育ててくださいました。
関係者の皆様、本当にありがとうございます。
ここからさらに大きく育っていくかどうかは、読者の皆さんのお力にかかっています。
これからすくすく成長していくよう、何卒お力添えをお願いいたします。