皆さん、こんにちは。作者の(なたた)です。
いつも『白黒の鷹』を読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、物語の内容ではなく、私がこの作品を書こうと思った理由や、『白黒の鷹』を通して伝えたいことについて書いてみようと思います。
この作品の根底にあるのは、私自身の学生生活に対する後悔です。
私の学生生活は、決して充実したものではありませんでした。
恋愛、友人関係、部活動。
どれに対しても、本気で向き合う覚悟が足りなかったと思っています。
友達と恋愛の話をしてみたかった。
自分自身をもっと磨いて、誰かに好かれる人間になってみたかった。
自分の気持ちに素直になり、誰かと腹を割って話してみたかった。
けれど、当時の私は、自分の言葉や行動が相手にどのような影響を与えるのか、十分に分かっていませんでした。
暴言や暴力が人を傷つけ、自分から遠ざけてしまうことも、感情をぶつけることと、本音を伝えることの違いも、理解できていなかったのだと思います。
人に相談することについても、今でも答えを出せずにいます。
どれだけ人に意見を求めても、最後に答えを決めて行動するのは自分自身です。
相談を受ける側も、自分の言葉が間違っているかもしれない、相手を悪い方向へ進ませてしまうかもしれないという不安を抱えます。
だからこそ、最後には「どうするかは自分次第だ」と伝えるしかありません。
真剣に考えて助言をしても、相手がそのとおりに行動するとは限りません。
それなら、なぜ意見を聞いたのか。
最初から自分で決めればよかったのではないか。
そう思ってしまう自分もいます。
ただ、今は少しだけ、相談とは正しい答えを教えてもらうためだけのものではないのかもしれない、と考えています。
自分一人では抱えきれない気持ちを誰かに話すこと。
苦しんでいる自分を知ってもらうこと。
答えを決める前に、誰かにそばにいてもらうこと。
人は答えを求めているのではなく、背中を押してほしかったり、気持ちを受け止めてほしかったりするのかもしれません。
それでも、最後に道を選び、進んでいくのは自分自身です。
『白黒の鷹』で描きたかったのは、私が学生生活の中で本当はやってみたかったことです。
自分の気持ちに素直になること。
友達と本音でぶつかり合うこと。
知らなかったことを知る楽しさ。
自分の惨めさや弱さ、つらさを見せたとき、相手がどう受け止めるのかという不安。
誰かを信じたことで友達ができることもあれば、信じたからこそ裏切られ、深く傷つくこともあります。
人を信用することは、怖いことだと思います。
けれど、誰かを信じなければ得られない関係や、見ることのできない景色もあるのだと思います。
『白黒の鷹』の登場人物たちは、決して完璧ではありません。
間違った判断をすることもあります。
感情に負けることもあります。
大切な人を傷つけてしまうこともあります。
それでも、自分たちなりに考え、目の前の問題へ全力で立ち向かいます。
たとえ失敗したとしても、何もしなかったことを後悔しないために。
この作品は、私が送ることのできなかった学生生活であり、当時の私がなりたかった人間たちの物語でもあります。
正しい答えを選び続ける人間ではなく、迷い、傷つき、失敗しながらも、大切な人のために行動できる人間を描きたい。
そして、失敗を恐れて何もしないのではなく、たとえ傷ついたとしても、自分の気持ちから逃げずに進んでほしい。
そんな思いを込めて、『白黒の鷹』を書いています。
読んでくださった方が、伝えられなかった気持ちや、向き合うことのできなかった相手を思い出したとき、
「もう少しだけ素直になってみよう」
「失敗しても、やってみよう」
そう思っていただけたなら、この作品を書いた意味があると思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
長編ストーリーですが、これからも『白黒の鷹』をよろしくお願いいたします。