【コミカライズ2巻発売中】【小説2巻発売中】 「魔導具の修理屋はじめました」 ドラゴンノベルス。ドラゴンノベルスコン3特別賞。 【発売中】 「男爵令嬢は王太子様と結ばれたい(演技)」 レジーナブックス。アルファポリス恋愛小説大賞15奨励賞。(カクヨムでは非公開) 「お姉ちゃんの恋人」(「5分で読書 だれにも言えない恋」に収録) カドカワ読書タイム。5分で読書コン(だれにも言えない恋)優秀賞 「竜帝さまの専属薬師」 エンターブレイン。カクヨムコン7恋愛部門特別賞。(カクヨムではWeb版の途中まで公開) 「乙女ゲームのヒロインは婚約破棄を阻止したい」 ビーズログ文庫。カクヨムコン5恋愛部門特別賞。 応援ハートがモチベ。一気読み連打歓迎。星のみ/一言レビュー大歓迎。コメント返信はあまりしないけど全部読んでます。完結作にも気まぐれに番外編追加。サポパス限定記事あり。 Twitter→@FujinamiTamotsu
初めまして! 何か気の利いた事を書こうとしたけれど、今僕の心はひどく憂いているようで、あなたの口角を少しでも上げられるような話は書けそうにない。 初恋の話をしよう。 あなたは初恋を覚えているだろうか。 僕は覚えている。はっきりと覚えている。 色鮮やかに鮮明に、今も宝石のようにきらきらと輝いている。 あれは僕が物心付いた時だ。 気付けば僕は木板の床に座り込み、積み木の描かれた絵本に目を落としていた。 ここはどこだろう、ふとそう思い辺りを見渡した。天井近くの壁にちぎり絵で描かれた大きな桃の絵があった。ここは桃組、幼稚園年少組の部屋だ。 こんなものを眺めている場合じゃない。 そう思いすぐに立ち上がって駆け出し、園庭に出られる引き戸を開いた。 大きな蝉の声が響く。夏の眩い日差しに僕は目を細めた。 白く眩んだ目が慣れると、園庭では見覚えのある顔が楽しそうに声を上げて遊んでいる。 しかしそこに彼女はいない。いない事は分かっていた。 右に目を向けると、彼女はいつものように縁側に腰掛けていた。何か本のようなものをじっと見つめていた。 僕はいつもそうしているように彼女のもとへ向かい、触れ合うほど近くに腰掛けた。 彼女はかけ算の計算ドリルを見つめていた。彼女には姉が二人いる。きっと上の姉から借りてきたものだったのだろう。 一緒になって僕はかけ算の計算ドリルを眺めた。意味なんて分からない。だけど彼女が一人でいる時僕はいつもそばにいた。もっとも彼女は僕がそばにいようがいまいが、気にも留めていないようだったが。 時々彼女は垂れた髪を耳に掛ける。深い夜の海の色をした大きな瞳で真剣そうに、じっと計算ドリルを見つめている。 僕は彼女のそんな目が好きだ。 いや――彼女のすべてが好きだった。 インプリンティングという言葉をご存知だろうか。生まれたばかりの雛鳥が初めて見た動くものを親だと認識する学習現象、いわゆる刷り込みだ。 僕は物心が付いた時から彼女の事が好きだった。 あるいはもしかしたら、物心が付く前から好きだったのかもしれない。 そして今も。 小学校を卒業してから一度も会っていない彼女の事を、未だに誰よりも愛している。
魔術 異能力 バトル&ラブコメ みたいな作品が大好物な二十うん歳な野郎です。 なので書いている作品もそんな感じ。 読ませていただく作品もそんな感じ。 ご感想、批判、アドバイス等お待ちしております。 豆腐メンタルながらもお待ちしております。 冷ややっこ美味しいよね。 Twitter https://twitter.com/kamizyouS
なぎのきと申します。物書きです。 カゲロウデイズアンソロジーやら、電子書籍を出したりしてます。 主に小説家になろう、カクヨム、ノベラボ、pixivにて活動中です。