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    リンゴの『あかくてやさしいまほう』

    童話「リンゴの『あかくてやさしいまほう』」あらすじ(約800字) 【物語の導入と知恵の継承】 舞台は、遠い戦争のせいで食料が少なく、みんながひもじい思いをしている小さな町。主人公の少女エマは、おなかをすかせた家族(おとうと、病気のおばあちゃん、両親)とともに、たったひとつ残された**「あかいリンゴ」を囲んでいます。このリンゴは、まるで希望の「あかいほし」**のように輝いていました。 おかあさんは、このリンゴには**「あかくてやさしいまほう」**が宿っているけれど、それは「いちばんおいしいリンゴ」を選ばなければ使えない、とエマに教えます。 そして、おかあさんが昔おばあちゃんから教わった**「ひみつのあいことば」**をエマに伝えます。それは、リンゴのおいしさの秘密である太陽の恵みを教えてくれる知恵でした。 【まほうのあいことばと発見】 おかあさんが教えてくれた**「ひみつのあいことば」は、「おしりの まあるい あかいしるし」**。おひさまがリンゴの「ぷっくりおしり」の裏側まで、まんべんなく光を当ててくれた愛のしるしだというのです。 エマは、ドキドキしながらリンゴを手に取り、教えられた通りに「まあるいしるし」を探します。そして、ついにリンゴの底に、まるくてつやのある「おひさまの、愛のおくりもの」を見つけ出します。エマは、これで「あかくてやさしいまほう」の力を手に入れたと確信します。 【愛の共有と平和への宣言】 エマは、この特別なリンゴを独り占めすることなく、みんなが悲しい気持ちにならないようにと、小さなナイフでおなじ大きさのちいさなかたまりに分け始めます。分ける際には、**「まんまる あか、みんなに わっ! やさしくなあれ、えがおになあれ!」**と、おまじないをかけます。 一口食べた家族全員の口から、同時に**「おいしいね!」**という喜びの声が上がります。この「おいしさ」は、おなかだけでなく、家族の冷え切った心まで温めました。 その瞬間、おとうさんが「こんなおいしいものを独り占めしようとするのは、まほうを壊すことだ!」と叫び、**「もう、やめにしよう。たたかうのは、もう、やめる!」と、平和を宣言します。家族全員が、「たべることは、なかよくすること。そして、たたかいをやめることだ」**と悟ります。 【結びと未来への希望】 エマは食べ終えたリンゴから、五つの小さなタネを取り出しました。エマはタネを「おひさまの まあるい しるし」があった場所に置き、**「まんまる あか、みんなに わっ!」**と、もう一度おまじないをかけます。 エマは、この「あかくてやさしいまほう」を世界じゅうに届けたいと願い、タネを小さな鉢に植えます。 その夜、リンゴのタネは、おひさまの光を浴びて、世界じゅうに「なかよし」を広げる、大きな、あかいリンゴの木になる夢をみました。そして、エマもまた、その隣でしあわせそうに笑っている夢をみるのでした。

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