10万文字やっと書きあがりました。
1章を公開しました。
第26回ルビー小説大賞に応募致します。
プリースト先生にインスパイヤされ自分が読みたい本をかきました。
渾身の作品です。
SF BL 耽美
宇宙局 救済課――歴史に埋もれたあなたを救済します――
耽美な部分を抜粋
「君は本当に、素直じゃない。どこにも逃がさないさ。」ドリーの手がチョコレート色の髪を梳き、耳元をかすめ、引き締まった太ももへと手を滑らせる、触れられるたび、火花が走り、彼に酔わされていく。それはまるで上等なブランデーを口に含んだように甘美で刺激的だった。
25XX年、人類はAIによる完全管理社会で生きていた。"最適な幸福"が提供されるこの世界.。人は無意識をコントロールされ、平等の幸せを享受する。
宇宙局・救済課のエージェント、ドリーは「マインドコントロールシステムの被害者」になった人々を救う任務を担っていた。AIが定めた最適解によって不幸な人生を送る羽目になった者たちを、システムの管理から解き放つ。それが彼の役目だった。
だが、ある日、彼の相棒であり、唯一の理解者でもあるジョーが突如として姿を消す。
彼が転送されたのは、AIの管理が完全ではない23XX年の火星――彗星衝突の危機に瀕する惑星だった。
彗星の破片が地表を焼き尽くし、壊滅的な被害が広がる火星。ジョーはそこに取り残され、行方不明になった。
そんな彼の前に現れたのは、宇宙局の技術開発部に所属するミッシェルだった。
「あなたがジョーを助けに行くって、聞いたわ」
「俺は行く」
──ジョーがいない未来に、何の意味がある?
ジョーが火星で行方不明になったとき、ドリーは初めて、自分の中にある「空虚さ」に気づいた。
これまで彼は、与えられた仕事をこなし、合理的に物事を考えて生きてきた。
なのに、ジョーがいなくなった瞬間、すべてが色褪せた。
「俺は……ジョーがいないと、ダメなんだな」
半身を奪い取られたような痛みだった。
ただ、ジョーを取り戻さなければ、自分が自分でいられないという確信だけがあった。
そして、ついに二人は再会する。
火星の崩壊が迫る中、ジョーは血と塵にまみれながらも生きていた。
「ドリー、お前が迎えに来てくれるって、信じてた」
「当たり前だろ……。お前を失う未来なんて、俺にはいらない」
ドリーの腕の中に崩れ落ちるジョー。
その体温を感じた瞬間、ドリーは初めて、自分が何に抗い続けてきたのかを理解する。
システムが最適なパートナーを選び、人々は疑うことなくそれを受け入れる時代。
そんな中で、"誰かを必要とする"ことがどういう感情なのか、彼は知らなかった。
──なのに、ジョーのいない未来を想像するだけで、胸が張り裂けそうになる。
たとえ世界が敵になっても、彼を守りたい。
彼がいなければ、生きる意味がない。
──これが愛なら、もう二度と手放さない。
彼らの決断は、未来を大きく変えてしまうかもしれない。
それでも二人は、この先もともに生きる道を選んだ。
だが、それだけでは終わらなかった。
まだ火星には救うべきものが、まだある。
生きようともがく者がいる限り、手を伸ばす。
たとえ救えるのが、ほんの僅かであっても。
たとえ、この決断に迷いが生まれようとも。
それでも、彼らは行く。
手を取り合いながら、命を奪い返すために――。
宇宙×時空×中華風SF・BLロマンス。
果てなき時の彼方で、ただお前を求める。
https://kakuyomu.jp/my/works/16818093089421681928/episodes/16818093092958170918