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これはアナタの『白い日記帳』ですか?

バックホーンの『白い日記帳』の話。

 春っぽいけど、実は春の思い出にすがる感じなので今時期の歌詞じゃなかろうか。勝手なストーリーを考えるなら、好きな女性にストーカー行為をする妄想に取り憑かれて最後に自殺してしまう男。
 まずもって考察したいのは白い日記帳の持ち主について。どう考えても主人公の男の日記帳だが、こんないつまでたっても日記がかけない男がそもそも日記帳買う?だからストーリーを作るなら、書店で偶然見かけた憧れの女性の手には、可愛く白い日記帳。話し掛ける話題何て無い男は共通の話題作りに思わず日記帳を買う。埋まらない白いページを見てパステルカラーの空をイメージする辺り、夏休みの宿題で絵日記付けた位しか日記書いて無い。
 ストーカー行為の部分について考察すると、ドアスコープをイメージさせる丸い窓とか具体的な部分はあるが、彼女自体については何だか抽象的で美化された印象しか無い。思い出の花というのがタンポポなのは、具体的に共通の思い出がある訳じゃ無くて、タンポポという何処にでも咲いている花であれば誰でも知っていて共通の印象が持てるという願望を感じる、
 物語の最後部分は俺の妄想だけども、男はストーカー行為をして彼女を殺してしまう妄想に取り憑かれ、耐えきれずに自殺をしてしまう。それは血で染まっていく白い日記帳がかきかけのままの男の日記帳に思えるからである。こう考えて面白いのは、彼女と男に対する白という色の印象の違いである。彼女に対する白は清純さや美しさ可憐さであり、男に対する白は焦燥や苛立ちや引け目である。日記に書くことがある位充実した毎日を送っているだろう可愛いあの娘と、そんな彼女を妄想する位しか出来ず変化も進展もしない毎日を送る自分。それを象徴する様に書きかけで白いままのページに耐えきれず、男はナイフを首筋にあてる。男の最期、机の上を流れる血が日記帳に吸われ、赤く染まる最後のページのことだけを考えていた。
 曲調も焦燥感を煽る部分と爽やかな部分があり、それが一層現実と妄想を繰り返している様に感じてしまう。
 という長文を失礼しました。

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