バックホーンのシアターの話。
俺の勝手な考えでは、この曲の歌詞は結構不穏である。
始まりのベルが鳴る位の時間に行っても、いつもの席に座れる位に空いてる映画館に、“安心”を求めて通う主人公。この人はどういう人物なのか。
この人は、バクダンが落っこちることも血の雨が降り注いでることも断定しているが、僕は知らないと言う。映画スターや綺麗な女優、名探偵や七つの海をまたにかけることに憧れているが、戦争映画なんかには言及しない。そして隣に座った誰よりも、映画に登場する誰よりも自分の方が生きることに恋してる、飢えていると確信している。
子供の泣き声や真っ赤になったシャツで思い出させないで、そっとしておいてくれ、映画の間だけは安心させてくれと。
この人が映画に安心するのは、子供も大人も性格も、国も関係なく誰もが夢を見れること。映画を見ている間は“現実”を忘れられること。そして映画は必ず終わることを知っているから。