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ノート#2

「お姫様」というものに惹かれる。
とはいえ、これはべつにお姫様になりたいとか、「パンが無ければケーキを食べよう!」とか放言したいわけじゃない。
気高く、品があり、自信に満ち、屈折せず、道端の物乞いを見かけたら「まあカワイソウ……」と、真っ直ぐ他者に同情できる慈悲深さと傲慢さ。
そういう資質を持つ登場人物に惹かれている。
――これはフィクションでの話で、現実にそういう人がいたとしても、お近づきになろうとは思わないけれど。
さて、そういう登場人物の物語は、さぞ面白いと思うが、自分で書くとなると難しい。どうにも「幸福な結末」というものを用意してやれそうにない。
平凡でない奇麗なものが、壊れず残り続けるとは思えない。
つまり、これは無いものねだり。持たざる者の憧れ。私は、残映を旅する少女や、不思議の街を歩く青年、その他様々の登場人物達。愛しい彼らの持たない物を持っている人間に惹かれている。

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