いつも本作をお読みいただきありがとうございます!
今回は、作中のセリフで実はこっそり仕込んでいる「表記のこだわり」について、ちょっとした小ネタをお話ししようと思います。
実は、作中で登場人物たちが使う敬称の「さま(ひらがな)」と「様(漢字)」には、明確な使い分けのルールが存在します。
ひらがなの「〇〇さま」
発言者が、その「個人」をしっかりと意識し、その人柄や中身の人間性に紐づけて呼んでいる場合。
(例:親しみや、個人への純粋な思慕からくる呼び方)
聖女さま、といった場合、発言者は誰かしら個人と紐づけて言っている。
漢字の「〇〇様」
発言者が「個人」ではなく、その「役職や立場(記号・象徴)」に対して言及している場合。
例えば、支配人とリオナの場合
物語の最初の方で、支配人がリオナのことを「リオナ様」と漢字で呼んでいたシーンがあります。
これは、
「(業務やらせろ、と強引に迫ってきた何もわかってないAクラスの小娘が)立場上、一応マニュアル通りに『様』をつけておこう」
という、記号的な扱い(ちょっとしたお役所仕事感や、ナメたニュアンス)が含まれていたからなんです。
本当にそのキャラクターを個人として敬ったり、親しみを感じたりすると、セリフの中の表記が「さま」に変化していく仕様になっています。
では、神殿関係者が使う「聖女様」は…?
作中で、神殿の関係者たちが「聖女様」と漢字で発言している場面がそのうちあります。
これも上記のルールに則っているのですが、彼らの場合は決して「冷たい」とか「不敬」という意味ではありません。
彼らは、特定の誰かという“個人”を心配しているのではなく、神殿が庇護すべき「聖女という役職、およびその象徴たる存在そのもの」を真剣に憂慮しているのです。
「個人への個人的な心配」ではなく、「組織の人間として、その大いなる存在全体を気にかけ、背負っている」からこそ、畏敬を込めて漢字の「聖女様」という表記になっています。同じ漢字の「様」でも、キャラクターの立場によって全くニュアンスが変わるのが面白いところです。「聖女さま」いうたら、誰か紐づけて発言しています。
文字だけでは見落としがちな部分ですが、今後の読書の際に「あ、このキャラは今『漢字の様』で呼んだな?」と注目してみると、キャラクターたちの『心の距離感や、背負っている立場の違い』が見えてきて、より楽しめるかもしれません。
今後とも、細かいこだわりが詰まった本作をよろしくお願いいたします!