漫画原作小説コンテスト、完膚なきまでの敗北を喫しています。
星を入れていただいた読者のみなさん、フォローしていただいた方々にかえすがえす申し訳ありません。
敗因分析のつもりで、同じSFジャンルで合格した作品をひとつ読んでみました。
タイトルは、『三四郎R「テレキャスターストライク」』。
ライバルなので、ばらばらにして顕微鏡で観察するような真似をするのをお許しください。
敗北感がつのります。
なぜって、抜群に面白い。
キル・ラ・キルの演出的な面が見事に取り込まれていた様に感じています。
僕にとって『キル・ラ・キル』という作品の骨。
それは、姉妹や実の母との葛藤、女の子同士の友情というのの、比較的エグい部分です。少女漫画では比較的人を呼べるけど、本当はオタクを苦笑させる部分です。
それをバカバカしいほど変な服装や、大盤振る舞いの全裸、迫力のあるバトル作画や、強引だけど納得させられる設定的な外連味という、オタクの好む面白い餌に隠して、食わせた事にあります。
そう、僕にとって、面白さは「餌」に過ぎません。
思い返せば、ライトノベルという形態にこだわるのも、オタクが見ないふりをしている何かを、餌に隠して伝えたいという事があるからなんです。
ところが、その餌をこそ、本質だとこの作者さんは思っている様です。いや、むしろ多数派は、キル・ラ・キルのそこをこそ評価している様な気がします。
TRIGGER作品の、そこ以外どこを見るんだ?
という声も聞こえて来そうですね。
とにかく、方向性が百八十度違う。そして、僕と全然違う方向性の人が、とにもかくにも結果を出し、読者選考を乗り越えられたという結果に。
全身かきむしって血まみれになって泣き叫んでパソコン壊して家から走り出したいほどのくやしさで一杯です。
三十も過ぎた男が、ねえ。
いや、どれひとつ実際にはやってないですけれどね。
しかし結果は、結果。
事実として認めざるを得ません。
僕の作品には、圧倒的に面白さが足りない。
妙に暗く、テーマが押しつけがましく、文章は冗長。
設定は長々と決めても、それはあくまで科学や社会理論とか、自分の知識を咀嚼して、違和感ないであろう姿に仕上げたものにすぎません。
こうなったら面白いな、こんなふうに変えたら、面白いんじゃないかな。
そういう、十六歳の頃に持っていた何かを、急速に振り捨ててしまっている様な気がします。
そう。面白さという面では。
僕の全く知らない科学や物理の知識を応用しているのも面白いところですね。
斬宿剣の考え方とかね。
仏教の本とか、読んでみたはいいんですけど、社会の勉強みたいに、書いてあることを覚えるだけなんですよ。
ある知識があったら、そこまでで止まってしまう。
この世とあの世があるというのを知っても、『ああ仏教ではそういうものなんだ』で終わり。
それを応用して、『本来いけないはずのあの世に、生きたまま行ってそこから攻撃することで相手を捉える、凄い、面白い』とかいう発想が僕からは出て来ない。
何言ってんだ。死なないといけないからあの世なんだろうが?
で終わってしまう。
小説家を志して、色々本を読んだり映画も見て見たりしたけれど。なんかデータの蓄積みたいな感じがいっこうに抜けません。
センスが無いのかなあ。
差異を見るなら、登場人物の数もかなり違いますね。
僕の『カグヅチ』の方が、メインの登場人物を結構絞っているのに対して、『テレキャスターストライク』の方は、二万文字少しという物語の中にたくさんの登場人物が出てきます。
そのどれも、個性的なキャラクターをしている。大運動会の対戦相手も、その特徴を生き生きと発揮し、精一杯戦う。
結果、作品が彩の有るものになる。
なっかなか、難しいですね。
バイトでもするかなあ。どうせ駄目だよ。
チラッチラッ|д゚)みたいなね。
ああくだらん。くあ、まだ五つもあるよ。どれだけぼこぼこにされるんだよ、僕と僕の作品は。