作中でオルサとエミリが帝国軍への入隊を断られているのは、主に「軍がすでに定員に達していて、新たな受け入れ枠がない」ことが理由です。
不老不死の種族によって構成された軍隊の場合、私たち人間のように加齢による衰えがないため、基本的に兵士の“入れ替え”は、戦争によって新たに軍団が編成されるときや、負傷や戦死といった明確な理由があるときくらいだと思います。
もちろん、自ら軍を離れようとする人も中にはいると思いますが、それはごく少数だと考えられます。多くの兵士は、長年慣れ親しんだ軍での生活に留まる傾向が強く、軍団そのものが解散でもしない限り、空きが出ることはあまりないでしょう。
一般社会でも状況は似ていて、多くの企業や組織の幹部や管理職は退かず、退いたとしても経営者の身内や親しい関係者がその後釜となると思われるため、それ以外の末端の労働者は昇進の道も限られています。
そのような背景があるため、衣食住が保障されている軍を自ら去ろうとする人は、よほどの事情がない限り少ないはずです。