ジェミ子稽古録を読んでくださった方へ
先に投稿した近況ノートが、少しとっちらかった文章になってしまっていたかもしれません。
半分寝ぼけたような勢いで書いてしまったところがあり、読みづらかったら申し訳ありません。
あらためて、少し整理して書いてみます。
『ジェミ子稽古録』を読んでくださっている方へ、まずはお礼を申し上げます。
どうも、公開している分を最後まで読んでくださったと思われる方が、一人いらっしゃるようです。
もちろん、こちらから詳しいことが分かるわけではありません。人間の読者さんなのか、あるいは何か別の読み方をされたものなのかも分かりません。
それでも、最後までページが進んだらしい、という事実は、書いている側としてはかなり大きな出来事でした。
この作品は、AIと仕事と判断の話です。
派手な事件が次々に起きるというより、似たような場面の中で、少しずつ判断の置き場所が変わっていく作品だと思っています。
AIに任せる。
出力が返ってくる。
便利だと思う。
でも、どこかで止まる。
どこまで任せて、どこから人間が持つのかを考える。
そういう反復が続きます。
AIは、細かい差分をよく拾います。前の章と次の章で、何が変わったのか。どの言葉が少しずれたのか。どの判断が深くなったのか。そういうものを、かなり律儀に見てくれます。
けれど、人間は忘れます。
読む時間も有限ですし、似た形の場面が続けば、「また同じことを言っている」と感じることもあると思います。
だからこそ、その反復を越えて、最後まで読んでくださった方がいたらしいということが、とてもありがたく感じられました。
もうひとつ、面白いこともありました。
各章の最後の話だけ、少し読まれているようなのです。
最初は不思議でした。私はどちらかというと、読む時も「全部入れてから考える」方です。情報を一度ぜんぶ受け取り、全体を見てから判断したくなります。
でも、読者の方は必ずしもそう読みません。
章の最後だけを見て、その章がどこへ着地したのかを確かめる。
まず結論だけを拾って、自分に合うかどうかを見る。
全部を読む前に、作品の温度を確認する。
そういう読み方もあるのだと思いました。
考えてみれば、この作品の各章の最後には、その章で主人公がAIとの距離をどう測り直したのかが残っています。
任せてよかったのか。
任せすぎたのか。
何を削り、何を残したのか。
どこから先は、人間が持つべきなのか。
そこだけを拾って読む、という読み方もあるのかもしれません。
もしかすると、この作品は、最初から順番に全部読むだけではなく、AIに要約させながら読む、章末だけ拾って読む、気になった章へ戻る、という読み方にも向いているのかもしれません。
AIについての小説を、AIに一度読ませてから人間が読む。
それは少し変な読み方ですが、この作品には案外合っている気もします。
人間だけで読む文章と、AIに読ませる文章。
これから先、そういう読み方の違いも出てくるのかもしれません。
最後まで読んでくださった方へ。
途中まで読んでくださっている方へ。
章の最後だけ覗いてくださった方へ。
ありがとうございます。
もう少し、この作品の歩き方を見てみようと思います。