満田一十です。
今回も連載中でご紹介させていただきます。
「金星ーThe Venus」
https://kakuyomu.jp/works/2912051596926974469
東大理学部卒、大手食品メーカーの技術職。
私は、常に「正解」を選び、誰からも羨まれる「最高傑作」として生きてきた。
愛する人から与えられた論理という檻の中で、沈黙を守り、輝き続ける。それが私のアイデンティティだった。
けれど、彼が消えたあの日、私の世界はエラーを起こし、崩壊を始めた。
虚無に飲み込まれ、立ち上がる力さえ失った私の前に現れたのは――
大阪の泥の匂いを纏った、もっとも非論理的で、もっとも烈しい熱量を持つ少年。
私の知性を土足で踏み荒らし、不純な熱量で私を満たそうとする彼を、私は軽蔑すべきなのに。
なぜ、彼の腕の中でだけ、私は「呼吸」ができるのか。
知性の敗北。再誕の産声。
壊れていく金星が、新しい夜明けを見つけるまでの物語。
「……ハジメくん。私を、壊して」