書いてしまった……。
みなさん、こんにちは。宮草です。
前回の近況ノート(
https://kakuyomu.jp/users/miyakusa/news/1177354054887576536)にて、トリさんのジョブ診断で遊んでいたのですが、その寸劇ができてしまったので下記に載せます。
作品に載せるほどのものでもない、ノートの隅の落書きのようなものですので、あしからず。
ちなみに、本編の『バードボーイウォッチング~鳥男子たちの恩返し~』(
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883987841)のストーリーとは何の関係もありません。
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『もしもバードボーイのメンバーが異世界転生したら……!』
〈あらすじ〉
いろいろあって、異世界転生をしてしまったななちゃんと鳥三羽。
「なんだか神聖な間」にて謎のトリさんにそれぞれジョブを与えられ、異世界のアビス王国で平穏な日々を送っていた。
しかし、突如として侵略をしてきたクロウ帝国により、アビス国の姫が囚われてしまう。
トリさんのお告げを受け、ななちゃんと鳥たちが立ち上がる!
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第一話【ななちゃん ジョブ:騎士(兼勇者)】
ななちゃんはアビス城を護衛する騎士。
今は囚われた姫を助け出すため、仲間とともにクロウ帝国へ向けて旅をしている。
――ここは、とある森の中。
▶ てき が あらわれた !
トキ「なな、気を付けろ! 【悪いヒヨコ】だ!」
なな「うん! トキとカーくんは下がってて!」
ななちゃんはワイバーンを乗りこなす竜騎士。相棒に跨がり、敵の最前線で戦う。
なな「行くよ、スズメちゃん!」
スズメちゃん「チュンッ!」
ちなみにワイバーンの名前はスズメちゃん。鳴き声は「チュン」。……ワイバーンである。
突進してくる、人の二倍ほどあろう黒いヒヨコを、斜め上に飛び立って避ける。
ななちゃんの右手には、自身の身長よりも長い槍が握られている。その槍の先端から、炎が渦を巻くようにして溢れ出た。
なな「焼き鳥にしてあげるっ! 灼熱の槍《ファイアーランス》っ!!」
スズメちゃんがヒヨコに向かって急降下。ななちゃんの持つ、炎に包まれた槍がヒヨコを貫いた。
刹那、ヒヨコを中心に、木をも超える火柱があがる。
断末魔の悲鳴は、業火によって灰となり、掻き消された。
▶ てき を たおした !
なな「やったね、スズメちゃん!」
スズメちゃん「チュンッ!」
トキ・カーくん(ななTUEEE!!)
結論、ななちゃんはチート。
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第二話【トキ ジョブ:アイドル】
トキはアビス国の人気《女性》アイドル。メンバーの中で唯一TSしている。
歌も踊りもパッとしないのだが、物静かで温厚な性格、たまに見せる天然(ドジっ子)が受けて人気だった。
しかし、クロウ帝国によって事務所が襲撃されてしまう。一時、網に捕らえられて持って行かれそうになったが、ななちゃんが助けてくれて難を逃れる。その後、恩を返すため、旅に同行することにした。
――ヒヨコを倒した後。
なな「カーくん、これ、食べられないかな?」
カーくん「ダメに決まってるだろ? もう灰になってんじゃねぇか……」
ヒヨコの亡骸を突くななちゃんとカーくん。
その周囲は、ななちゃんの攻撃によって生じた炎が、ところどころから上がっていた。
トキ「なな、もう少し加減できないのか……」
呟きながら、手のひらを上にして、腕を前へ伸ばす。
すると手に、水の塊が浮かび上がった。拳ほどの大きさで、水晶のように透明で丸く、表面は小さく波打っている。
トキ「水の精アクアリムよ。汝の力を我に。燻る炎を消し止めよ」
トキは水資源豊富なニイガタ国生まれのため、水の精霊と契約をしている。
水の塊がブルンと大きく震え、消える。すると、燃えている場所にだけ、空中から雨が降り注ぎ始めた。白い煙をあげながら、あっという間に火は消し止められる。
なな「トキ、ありがとう! トキがいないと、山火事になるところでしたよ」
トキ「そうだな。大惨事だな……」
トキの魔法は戦いのためというよりも、戦い後の後始末にて、よく使われる。
なな「あと、スズメちゃんに水もらえますか? 喉渇いたんだって」
スズメちゃん「チュンチュン!」
トキ「わかった。わかったから、翼を大きく羽ばたかせるな。スカートが捲れる」
ちなみに、トキのパンツは……秘密です!
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第三話【カーくん ジョブ:奴隷】
カーくんはもとアビス国の住人だったが、クロウ国に拉致され、奴隷となっていた。ハシブト・クロウ山賊団のもとで重労働を強いられていたが、通りすがりのななちゃんによって助けられる。その後、一緒に旅をすることになった。
▶ てき が あらわれた !
カーくん「なな、ここはオレに任せろ! こんな敵っ……ぐっ……重い……」
カーくんの武器は大剣。自身の大きさほどもある剣を豪快に振り回す……かと思いきや、全然扱えていない。重くて持てない。筋力そんなにない。
なな「カーくん、邪魔! 下がってて!」
カーくん「ガーン!!」
トキ「…………」
というわけで、戦闘ではまったく使えない。
しかし。
――新しく訪れた街にて。
カーくん「ななー! きらしてた薬草、買ってきたぜ。やっぱアイテムはショップで買うよりも、露天商から買うほうが安いよな!」
カーくんの本領が発揮されるのは、街。持ち前の直感(霊感)と交渉術で、アイテム調達や情報収集など、ななちゃんやトキができなさそうなことをやってくれる。
カーくん「そういや、ななのレベルも上がってきたから、そろそろ新しい武器にグレードアップしようぜ!」
なな「やったぁ! わたし、強いヤツがいい!」
カーくん「まぁ金が余ったら、テメェの魔力アップのアクセサリーも、買ってやってもいいぜ?」
トキ「そうか。なんでもいいんだが」
パーティーの管理は、カーくんがしっかりとおこなっている。大事な役割。
そして、もう一つ。カーくんには大事な仕事が……。
カーくん「あと、テメェのチラシも、何件かの店で置いてもらうよう頼んだからな。明日はライブとCDの即売会やるから、準備しとけよ」
トキ「あ、あぁ……」
持ち前のプロデュース力を活かして、カーくんはトキのプロデューサーもしている。なんか、トキがボーッとしていたら、「テメェそれでもアイドルか!」とキレて、勝手にやり始めた。
カーくん「よっしゃぁー! 明日は売って売って、資金調達だぜっ!!」
なな・トキ(楽しそうだ……)
結論、カーくんはいろいろあったけど、今は幸せです。
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第四話【カワセミくん ジョブ:友達】
カワセミくんは、ななちゃんの友達。
――街の関所にて。
カワセミくん「ななー!」
なな「あっ、カワセミくんー!」
ふらりとやってきたカワセミくん。こんなところで奇遇だね。
カワセミくん「なな、この先、西の街で、クロウ国の軍隊が暴れているんだって」
なな「そうなの!? 早く行って、助けないと!」
カワセミくん「そうだね。まっすぐ西へ向かうルートと、北西へ曲がっていくルートがあるの。まっすぐ西は近いけど、クロウ軍がたくさん見張っているよ。北西の森を抜けていったほうが、距離は遠いけど早く着くかも」
なな「わかった。いつもありがとう、カワセミくん!」
カワセミくん「うんっ。なにかあったら、笛で呼んでね!」
そう言って、サッと風のように消えてしまった。
カーくん「って、ちょっと待て、なな!? 前から思ってたんだけどさ、カワセミって、なんなんだ!?」
なな「えっ!? た、ただの友達だよー」
レベル80のただの友達です。
トキ「要所要所で現れて、的確なアドバイスをしていくな。それに、笛とは……」
なな「な、なんでもないですよー、ただの友達ですってばー」
偵察力(好奇心)と尾行力(ストーカー)が高い、ただの友達です。
なな「さぁ! カワセミくんのアドバイス通りに、次のステージもクリアするよ!」
トキ・カーくん(カワセミって、なんなんだ!?)
ちなみに、カワセミくんは初心者モードにしか現れない、ただの心強い友達です!
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わたしたちの戦いはこれからだっ!!
という感じで、【完】です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!