僕らには、無限の可能性がある。
この世の中に、不可能なことなんてない。
明るく、前向きで、素敵な言葉である。
一見すると。
最近、とみに思うのだけど。
むしろ、そうやって、自分は何にだってなれる、何だって出来ると。
言い聞かせるほどに、思いこむほどに、苦しくなる。
だって、本心では、ちゃんと分かっているから。
無理なものは、無理だって。
むしろ、世間一般で悪とされる、あきらめの精神。
それこそが、みんなに幸福をもたらす。
僕はあれも出来ない、これも出来ない。
一見すると、何てネガティブだろうと、嘆かわしくなる。
けど、全く取り柄のない人間なんて存在しないから。
あれも出来ない、これも出来ない。
でも、それは出来る、と。
ちゃんと、自分の道を見つけることが出来る。
昔、ハマっていた漫画、『ドラゴン桜』にて、桜木先生がこう言っていた。
『受験勉強は有限だ』と。
それは、人生も同じこと。
無限には続かない、有限である。
それを嘆く人もいるだろう。
でも、有限だからこそ、面白い。
もし、無限だったら、それこそ、誰でも何でも出来るかもしれない。
けど、そんな世界は、きっと退屈だ。
だって、ゲームでも何でも、ルールがあるから面白い。
何でもありだと、つまらない。
有限で、制限があるからこそ、工夫、戦略が生まれる。
人は確かな戦略に則って動く時、1番メンタルが安定していると思う。
例え、苦境に立たされることになっても。
ちゃんと、自己肯定が出来るから、大きく崩れることはない。
そう、ちゃんと地に足をつけて、現実を見る。
いつまでも、無限の夢、幻想の世界で生きるのは、厳しい。
僕ら作家くんは、そんな幻想の世界に浸りがちだけど。
歳を重ねて、ちゃんと現実味を帯びた作品を書けるようになる。
だから、何事もあきらめない精神の、夢見くんちゃんたちも、きっと大丈夫。
自己否定はするべきじゃないけど、無限の可能性は今すぐ否定した方が良い。