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◯僕はヒット作を書けないかもしれない

 ヒットに必要なのは圧倒的な母数である。

 そう考えると、少数派であり、人とズレている僕には、ヒット作は生み出せないかもしれない。

 以前のノートでも触れたけど、僕は人と少し違う。

 精神科の心理テストの結果をもとに、明確に自覚した。

 とはいえ、ADHDや自閉症、アスペルガーのような、明確に社会に適合するのが難しいパーソナリティーを診断された訳ではない。

 凡人とはちょっと違うけど、決して天才ではない。

 中途半端な存在。

 そもそも、僕のPNである『三葉』には、僕は凡人であるという意味が込められている。

 人をクローバーに例えると、天才は四つ葉で、凡人は三つ葉。

 天才の方がカッコイイけど、世の中は凡人の方が多い。

 そして、同じ凡人の方が、より多くの人に共感してもらえる物語が作れる。

 売れる作品とは、共感性が高いもの。

 だから、僕は自分を堂々と凡人と名乗る、『三葉』とした。

 下の名前の『空』は、単純に空が好きだからである。

 また、かつて活動していた野球創作サイトで『Air』と名乗っていたから。

 ただ、自分を凡人と言いつつも、凡人よりは多少なりとも、センスがあると思っていた。

 でなければ、創作の世界にはやって来ない。

 事実、中学生の頃、その野球創作サイトにて、センスがあると褒めてもらった。

 ただ、中学生、高校生で文学賞を取るような、生粋のセンス、才能がある訳ではない。

 あくまでも、凡人に毛が生えた程度だったと思う。

 他人とは変わっているけど、極端に分かりやすい天才じゃない。

 だから、若い内に成功することが出来なかった。

 人生をかけた電撃大賞の挑戦にて、一時、大きく浮上したが。

 結局は、夢破れた敗北者となった。

 しかし、その後も、執筆活動はやめなかった。

 大いに情熱を燃やしてやっていた、という訳じゃない時間も多々あったと思う。

 それでも、何事も長続きしない僕が、小説だけは10年以上もやっている。

 ラノベにおいては、若くしてデビューして、成功する人が多い。

 事実、若者向けのジャンルだし。

 最近では、間口が色々と広がっているけど。

 僕が電撃大賞に挑戦していた当時とか、まだその意識が高かったし。

 筒井 康隆(つつい やすたか)さんも、かつて『30歳で作家になれなかったら、死んでやる』みたいなことを言っていて。

 僕にはそれほどの覚悟はなかったけど(中途半端くん)、20代でデビュー出来なければ、カッコ悪いと思っていた。

 でもまあ、僕の好きな東川 篤哉(ひがしがわ とくや)さんは、確か32、3でデビューしたから、僕もそれくらいで良いかなと。

 気軽な気持ちでいたけど、正にそれくらいの歳になって、まだ結果は残せていない。

 カクヨムで少しだけ成功して、作家気分になれたこともあったけど。

 目標とする場所にはまだたどり着けていない。

 それは悔しいことだけど、そこまで焦っていない自分がいることも確かだ。

 僕は自分が大器晩成型だと自覚している。

 身体能力が、1番欲しい中高生の時じゃなく、大学1年でピークに達した。

 そのズレっぷりの残念さが、自分らしい。

 事実、はがないが好きで、色々と縁もあったし。

 まあ、その話は置いておいて。

 最近は、40歳で花開くのも、全然アリだと思っている。

 東野 圭吾(ひがしの けいご)さんも、デビューこそ20代と早かったけど、売れっ子になったのは40歳くらいだったし。

 最近、とみに思うのだけど。

 以前、ネット小説は、竜頭蛇尾(りゅうとうだび)で良いという記事を見かけたことがある。

 つまり、最初さえ勢い良ければ、あとはしぼんでも構わないと。

 その当時は、なろうとかで書いていたから、まあそうだよなと、納得していた。

 けど、ここ最近は、全くもって考えが違う。

 最初に勢いが良くて、後にしぼむよりも。

 最初は地道でも、後でグンと尻上がりになる。

 前者よりも、後者の方がカッコイイし、イケていると。

 まあ、若い内に成功して、ずっとトップを走り続けている人もいるけど。

 早熟の天才は、往々にして、後年は沈み、凡人、あるいはそれ以下に堕落しがちだと思う。

 一方、なかなか売れず、永遠の書版作家なんて揶揄された人が、後年はヒット作を連発する売れっ子になっていたり。

 これはまあ、小説の世界に限らず、いろんな業界でもあることだと思うけど。

 早熟の天才は、パラメーターがとがっている。

 ホリエモンはバランスを取るなと言ったし、与沢さんも突き抜けてぶち抜くと言った。

 だから、手っ取り早く成功するなら、その方が良いんだろう。

 けど、そうやって成功した人間は、人間性が未熟ゆえに、自滅している印象だ。

 何かやらかして、その後はメンタルやられて、復活できないみたいな。

 一方で、なかなか日の目を浴びない人は、その間にゆっくりと、着実に、良質な人間性を養っている。

 真に大きな成功を収めるためには、良好な人間性が必要であることは事実だ。

 もちろん、完璧に良い人はいないし、聖人になる必要はないけど。

 人としての深みがないと、作品も何もかも、つまらなくなる。

 その点で言うと、僕は今、自分がなかなかに深みのある人間になれていると思う。

 ロクに働いていないし、社会人経験は乏しいけど。

 全く働いていなかった訳じゃないから、どんなものかは分かる。

 サラリーマンをしていると、思考が停止する。

 彼らはベルトコンベアーの上を流れる、部品も同義。

 もちろん、昨今においては、自ら積極的に副業をし、成功し、独立する人も増えているだろうけど。

 安定した給料、安定した生活。

 ついつい、その甘美さに負けて、自分にとってより良い人生への選択をあきらめている。

 いや、目を逸らしている。

 一方で、働かないことは、楽だけど、苦しい。

 サラリーマンが想像する以上に、彼らが経験したことない、人生の苦みを味わう。

 けど、それが僕にとっては甘美であり、また成長させてくれる。

 良薬は口に苦しと言うし。

 とにかく、サラリーマンよりも、僕は常に深い思考をしている。

 だから、彼らが知らない知識を数多く持っている。

 そのため、全くもって、彼らに対して劣等感を抱かない。

 昔から、結婚して子供を作ることにも、興味はさほどない。

 いや、1度くらいは、経験してみたいなと思う。

 作家で成功したら、家庭を持ってみたいなとは思う。

 けど、それは他のみんなみたいに、30まで結婚して、子供を産んで、親に孫の顔を見せたい。

 そんな決まりきったベルトコンベアー式とは全くもって違う。

 純粋な好奇心と興味の対象にすぎない。

 正直、僕はそれ以上に、自分を探求することに忙しい。

 もっと言うと、自分を通じて、この世界の理(ことわり)を知ることに忙しい。

 だから、無理して結婚したいとは、1ミリも思わない。

 以前、悲しそうな父の顔を見て、一時的に強く思ったことはあったけど。

 その時、その衝動に流されなくて本当に良かったと思う。

 自分の人生は、徹頭徹尾、自分のためだけに生きるべきだから。

 そう、こんな考えを持つ、いや、堂々と主張する僕は、間違いなく少数派だ。

 先日、最近よく見るサンデージャポンにて、武井 壮(たけい そう)さんが、フェンシングのレジャー合宿問題について、謝罪をしていた。

 僕は元から武井さんが好きだったこともあり、その謝罪を好意的に受けたし、さすが武井さんと思っていた。

 しかし、ネットニュースを見て、そんな武井さんに批判の声が多く、逆にバレーの川井さんの方が評価されているのを見て、驚いた。

 そして、自覚した。

 あ、俺ってやっぱり、マイノリティーなんだと。

 だから、僕はヒット作を生み出せないかもしれない。

 多くの人に共感してもらいたい、凡人だと自覚した上で。

 そんな意志をこめてつけた『三葉』という名前に反して、僕は多くの人の共感ではなく反感を買うような道に進んでいる。

 そのため、僕は今後、ヒット作に恵まれないかもしれない。

 このまま、ロクにお金を稼ぐことが出来ず、くたばってしまうかもしれない。

 けど、不思議と、そこまで恐怖はない。

 僕は人が生きて行く上で大切なのは、プライドだと思っている。

 もちろん、余計なプライドは捨てるべきだし、ダサいもの。

 でも、人はお金よりも何よりも、プライドを失うと、生きていけない。

 自分の中に確かにある、芯を失ったら、もう立って動くことが出来ない。

 僕にとってのプライドは、小説である。

 書籍化してプロデビューした訳じゃないけど。

 あくまでも、セミプロみたいなもんだけど。

 僕は自分が小説家であると、自負している。

 そして、例え文字として表現しなくても。

 自分の頭の中で、ずっと小説を書いている。

 僕は幸せ者だ。

 ミニマリスト、断捨離マンだから。

 余計な物は持ちたくない。

 小説家という生業は、何もなくても出来る。

 己の脳みそさえあれば、物語を創造できる。

 だから、僕はこれからも、ずっと小説を書いて行くだろう。



2件のコメント

  • 実力的にはネット小説から書籍化している人より優ってるんで書きたい物とタイミングが噛み合えばドカンとイケると思いますよ。
  • どくしょちゃんすこ。
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