朔「そういえば、文さんはなんでサングラスつけてるんですか?綺麗な色ですけど。」
ある朱雀館の昼下がり、朔はふと疑問を口にした。
文「ああ、これね。私、色盲なんだよ。このサングラスはね、色を見えるようにしてくれるの。」
朔「シキモウ?色?」
馴染みのない言葉らしく、朔は変なイントネーションで繰り返した。
牙「特定の色が見えなかったり、白黒に見えたりするんだよ。」
ソファでだらけていた流牙が視線だけを写して、朔の疑問を晴らす。
朔「へえ。ていうかなんで当たり前に流牙さんがいるんですか。」
彼は月酔華の最強戦力が集まる、「玄武」の部隊長である。
文「また、万くんに締め上げられますよ。」
牙「くっくっくっくっく。今回ばかりは万にも捕まらないさ。ダミーを置いてきたからね!」
なんでこの人はドヤ顔で仕事をサボれるんだろう、と、文が考えていると、朔がとたんに青い顔をし出した。
朔「りゅ、流牙さん。後ろ…。」
牙「え?」
そこには流牙が言っていたダミーと思われるカカシを抱えた万が笑顔で立っていた。
万「へぇ〜。流牙さぁん。面白いことを言うんですねぇ。ただでさえ存在が面白いってのに。」
牙「え、万さん怒ってらっしゃる?笑顔がコワイわよ…。」
万「どうします?今すぐここで数本の骨に別れを告げるか、おとなしく仕事に戻るか。」
牙「骨折したら、仕事しなくていいってこと⁉︎」
笑顔で流牙が問いかけた。
朔は完全に引いている。
万「ははは。そう言うと思って、今日はスペシャルゲストを招待しました。」
コ「よんだか。」
万の後ろには、白虎の部隊長、コトハが立っていた。
彼女はもともと青龍に所属していた事もあって、後方支援、主に治癒能力が高いらしい。
牙「え、なんでコトハ……?」
万「いえ、流石に部隊長を怪我させたら俺がクビにされるので、コトハさんに証拠隠滅を頼もうと思っただけですよ。これならいくらでもぼこ、、改心させられますしね!」
コ「ちょうど、人体をいじりたいと思っていたところだ。」
牙「え、?え⁉︎ちょ、やめてぇ‼︎」
明らかに聞こえちゃいけない音が龍牙から聞こえていることに朔はさらに顔を青くしている。
文「できることなら、外でやってほしいなぁ。」
朔「…部隊長って暇なんですか…?」
そんな会話をしていると、寝ぼけた顔の千鶴が現れた。
鶴「……決して暇ではありませんよ!」
文「寝坊をしてきたあんたが何を言う。」
平和な朱雀館での昼下がりだった。
牙「俺の場合は平和じゃないよ!?骨とお別れしてあああああああああああああああああああああああ