水無月うみ

末期がんが見つかった僕は、あと一か月しか生きられない。 生きる意味も分からず、病死するくらいなら自殺してやろう。 そう思い、アパートのベランダから飛び降りようとした。 しかし、飛…

アカツキは、小学二年のころ、小説を初めて書いた。すると、その小説は周囲の児童や先生から高い評価を受け、小説家になれるよ、などともてはやされる。 しかし小学六年になる頃には、未だに…

突然として姿を消した僕の恋人、くい。 しかしある日、大学のキャンパスで、僕はくいらしき人物を見つける。 近づくと、その姿は完全にくいであり、僕は再会を喜ぶ。 しかし話しかけると、…

がん患者の「僕」は、生きる希望を失いただ垂れ流しに日々を過ごす。 しかし、そんなある日、僕の前に同じく患者の「彼女」が現れて——。 彼女に対して抱いた、儚い僕の恋の行方。

まだ幼かったころ、「私」の友人にA君という少年がいた。 とにかく静かな、でも温和な雰囲気のある少年だった。 彼は小学六年のある三か月間、ノートに五十音を一文字ずつ書き始める。 そ…