企画に参加させていただき、自作を読んでいただけるようになったので、ちょっとだけ心の内を書いておきたいと思います。
自分は異世界ファンタジーが大好きだった。夢と希望に溢れる冒険活劇にワクワクしながら、これからどうなるんだろう?と想像して育った。勇者が悪を打ち倒すタイプの作品が特に好きだった。
だけど、ある年代あたりから異世界ファンタジーものはおかしくなってきた。転生、チート、ハーレム。とにかく主人公が楽して成功する話が多く目につくようになった。しかも現実に帰ってこない。
ある作品を読んだ時、すごく嫌な気持ちになった。あまりにも主人公が自分勝手で、誰のことも考えていなかったからだ。
もちろんこういう作品が受けている理由はわかる。現実は苦しいし厳しいし、一向に良くなる気配はない。自分もDV家庭だし、いじめられたし、この世から消えてなくなりたい気持ちは毎日のように湧き出てくるし、誰かに認めてもらいたいと思っている。異世界に行って自由に好き放題したい気持ちは痛いほどわかる。できることなら自分だってしたい。
でも、だからこそその世界の文化や生きる人々を蔑ろにしてはいけないはずだ。ゲームなんかじゃない、人や魔物が生きているんだって。チート(ズル)をしていいところではない。なんで誰も、そのことに気づかないのだろうと思った。
だから、反旗を翻すことにした。チートで壊れた異世界を修復する作品がある世界線に変えてやろうと思い立った。
それで、タイトルが俺のファンタジーを返してと、そういうわけなのです。