• 現代ドラマ
  • ラブコメ

『引きこもりVTuberは伝えたい』第106話結家詠と真宵アリスのあとがき転載

 演者とアバターの関係性。
 VTuberを描くうえでいつか書かないと思っていた話。

【駄文】
 さて事件の多いVTuber業界で最大級の事件を三つあげると、あるお方の『誕生』『分裂問題』『無期限の活動休止(2022)』になると思います。
 事務所演者の不祥事や収益や再生数記録は除きますが。

 あるお方については私はそれほど追えていないので語ることはできません。詳しい人は本当に詳しいと思うので語るほどの知識を持ち合わせていません。
 でも『分裂問題』についてはかなり重要と認識していました。
 正直、大学の研究論文に取り上げられてもいいのでは?
 などと真面目に考えてます。
 これほど今後の発展性と意義があり、キャラクタービジネス(億単位のお金)に関わる研究もあまりないですし。

 論文のタイトルは『視聴者の視点から考察するキャラクターと演者の同一性問題』などでしょうか?

 あるお方のコンセプトは配信を行うAIでした。AIなので永遠に配信を続けられる不変の存在ですね。究極のキャラクタービジネスです。
 コンセプトから考えれば理想は完全なAIの配信者です。つまり演者がいない方がいい。実際頑なに中の人の存在を隠しました。AIではありませんが初〇ミクが理想に近かったのではと愚考します。
 だからアバターと演者の同一性を軽視した運営は分裂問題を起こしてしまった。

 多くの方は分裂問題に関して「ファンに怒られて当たり前だろ」と考えているのかもしれません。
 けれどアニメのキャラクターなどは声優が変わってもほとんどの場合は許されます。理由さえあればですが。
 例外は『孫〇空』『〇フィ』『シ〇ア』などでしょうか?
 この辺りは声優を変えるぐらいなら作品をもう作るなと怒られそうです。
 ただ『ドラ〇もん』『ルパ〇三世』ですら変わっているのですから、例外はないのかもしれません。
※ご冥福をお祈りします(2022/8/8に追記)

 でもVTuberのリスナーは許容できませんでした。
 アバターと演者は同一でなければいけないと問題視したのです。
 アニメ作品に出ているキャラクターと双方向ビジネスのアバターの違いもあるのでしょう。
 最初からAIを用いず、同一性を確保できない人間の演者に採用した時点でコンセプトが破綻していたのかもしれません。
 専門家が真面目に研究すればもっと面白い見解もあるのかもしれませんが。

 分裂問題のせいかはわかりませんがVTuber業界は演者の存在を認める方向に進みます。設定遵守のロールプレイ勢は少ないですね。
 VTuber業界が『配信を行うバーチャルキャラクター』ではなく『アバターを用いたバーチャルライクな配信者』を選択したのです。
 すでに誹謗中傷に関する裁判で『アバターへの誹謗中傷は演者への人格攻撃である』との見解も示されましたし、アニメのキャラクターとは法的な扱いも違います。

 面白いことにVTuber以外でも同じような事例はありますね。
 ゆるキャラブームの『ふ〇っしー』もキャラクターと演者の同一性が重視されるでしょう。バーチャルではないし、他のゆるキャラは中の人が変わっても問題視されない。でも例外は発生する。
 例外の明確な基準はわかりません。キャラクターの中に演者のパーソナルを見ているからだと個人的に推測してます。

 この辺りの認識の違いを意識しておかないと炎上します。ビジネスチャンスを逃します。もちろんVTuberになったり、VTuberを運営しない限りはあまり関係ない話ですが。

 今回の話は演者から見たVTuberの話でした。
 演者とアバターは同一の存在。アニメキャラクターなどの役とは認識が異なる。
 視聴者はアバターの向こうに人間を見ている。
 演者はアバターにどこか自分を投影している。

 現在のメタバースビジネスが成功するかわかりませんが、今後も仮想空間とアバタービジネスは拡大するでしょう。
 サイバーパンクの世界まで発展するかはわかりません。アバターに対する認識の問題も心理学にあるユングのペルソナと似ているので、答えの出る問題かもわかりません。

 気になるのはアバターを誹謗中傷で傷つけられたときにアバターが外装となって心が守られるのか、それともアバターこそが自分のむき出しの本質なので自分自身に言われるよりも心が傷ついてしまうのか。
 誹謗中傷が許されていません以上の解答は存在しませんが、後者だとVTuberは大変な職業です。

 さて無駄に小難しい話は以上で終わりです。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する