河村　恵

いつもの帰り道、高志は古びた自動販売機を見つける。色あせて、商品ケースは空。だが、なぜか中央のランプだけが、不気味に「140円」と光っていた。 好奇心に負けてコインを投入し、ボ…

智也のもとに届いたのは、注文した覚えのない《MRゴーグル》。 試しにかけてみると、推しのアイドル、亡き母、友人たち── “会いたい人”がまるでそこにいるように現れた。 触れられな…

「このメールを7人に送れば、7ヶ月以内に幸福が訪れます」 茉莉花は「幸福な手紙」を受け取り、半信半疑で転送した。すると本当に、理想の結婚、豪邸での暮らし、雑誌での取材——すべてが…

亡くなった母の部屋の片隅で、ウメは見覚えのない手鏡を見つける。 長いあいだ締め切られていたはずの引き出しから現れたそれは、ただの古道具に見えた。 けれど覗き込んだ瞬間、ウメは小さ…

担当したのは「スマパラ」事件——スマートフォンを通じて人を操る、見えない寄生体。 画面に触れた瞬間、俺の体は言うことをきかなくなった。 二つのボタンが浮かび上がる。 「破壊」と「…

若い頃から登山仲間だった医者3人。50代になった彼らが訪れたのは、世田谷の温泉施設だった。 「足腰だけは80まで登山ができる自信がある」 そう豪語していた若川を、俺と佐助が連れて…

ある朝、街に突如現れた巨大な岩の柱。触れた者は無言のまま登り始め、二度と降りてこない。

隣に引っ越してきた蛭川アサミは、おとなしい印象だった。 俺がアサミに事実を伝えた時、アサミは衝撃の告白をした——「繰り返せば、彼が生き返る」

放置されたSNSアカウントに、何気なくログインした。 数年前の呟き「今日は風が強い」だけが、そこにあった。 翌日、見覚えのない投稿が現れる。 投稿した記憶はない。 けれど、自分…

縁側に集う茶飲み友達の中に、どこの誰だかわからぬ人が、紛れるようになった。 日常に潜む静かな違和感を描いた短編ホラー。

「死んだらお前にやろう」——果たされた約束で、男が見たものは——。ホラー✖️落語調の短編（1500字）です。

「ルールを破った者は消される」――日常の中に潜む恐怖を描くディストピア学園物語。 生き延びるのは、従順か、反抗か。あなたならどうする？

「集合写真を撮ったんだ。何枚か撮ったが、どれもみんな顔がぼやけてるんだよ」 電気も通らない山小屋で一人暮らしをする写真家。 彼には、恐ろしい秘密が隠されていた。

旧友との再会。他愛ない会話のはずが、次第に奇妙な影を落としていく――。 都市の黄昏を舞台に描く、静かな短編小説。

一人暮らしの男が、ある夜から“不思議な現象”に巻き込まれる。 そして、彼の前に現れる女性。 運命の出会いか、それとも悪夢の始まりか。

忘れしものの影が、夜道に寄り添う。 盛り塩を恐れる白き女と、記憶をめぐる怪しき物語。

毎週金曜の夜、図書館にだけ現れる謎の客。 彼はいつも同じ窓際に座り、外の夜をじっと見つめている。 声をかければ、顔をこちらに向けて言うのだ。 「君も、もうすぐ出られなくなるよ」 …

彼女の誕生日に仕事が入ってしまったヒロシは、彼女の怒りをかってしまう。 その後、後輩と偶然遭遇し、胡散臭いあるものを薦められる。 最初は興味なかったヒロシだがー。 本作は、私…