もう五日で、今年も終わり。
それまでにはなんとしても休眠に入りたくてか、海月山の銀杏は落葉を急いている。
絶滅しかけた氷河期の記憶に、今もおののいてのことかしれない。
ーーなあんて考えてる私はといえば、まぶしいほど明るい窓辺でコタツに温もっている。
そして、どうやったら自分にも
「お話」というものが創れるんだろうと首もひねりっぱなしでいる。
昔から、日記というか詩みたいな短文は書きちらかしてた。けれどろくに本は読まないできたし、今も読める環境にない。なにより問題なのは、年々歳々、気力も体力も感性ごと加速度すさまじく衰えるばっか。これじゃ、ネタの発想すらとても無理。物語綴ってく根気を案ずる以前の、問題。
・・・どうすんべ?
昔書いたものをふくらましてくしかなかっぺか!?
🌙だけども🌛
一月の後も僕は初心者みたいにおどおどしている
だけども太古の地層に埋もれてたはずの生命力が
再びよみがえってるのじゃないか
人はいくたびか生まれ変わるというが定かでない
けども僕は信じたい
鬱蒼とした石炭紀の樹林の奥深く
とぼしい胞子を気前よく散らした僕がいたこと
サンタフェへ急いでたころの僕は鱗魚だった
未来の都市を確かに幻視してたので
三畳紀には未練はなかったのだ
海洋はギラギラと昼の陽をはねかえしてた
ーー信じてください
ーーだって僕が信じたがっているのだもの
僕がやわらかな新芽をはむ芋虫だったころ
君はうっとり首の赤いフラミンゴだったろう
世界はとっくに大亀たちの背に乗ることをやめていて
宙に浮く不如意を自らに課してたんだろう
そしてこの今 僕はホモ・ルーデンスとして
遊び人を気取って煙草をふかしている
だから数々の輪廻どおり煙のごとく
つかのましか ここにはとどまらない
次の生命へと宿りなおすために