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ある種すごい気はする新しい小説投稿サイト(追記あり)

 ぺけったーで見つけた、こちらのプレスリリース。
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000144836.html
 何が凄いって、画像の部分。
 文字数に応じたインセンティブの支払いがあるというところ。
 もっとも、その総額は2000万円と非常に小さく、かつこのプレスリリースには期間などが明記されてません。
 毎年この金額を支払うのか、あるいは毎月なのか。まあ毎月はないと思いますので、無難に行けば毎年か、あるいは『なくなったら終わり』という可能性もあります。行政のポイントサービスなどでよくあるやつですね。
 だとすると、おそらく一文字辺りいくら、という値段設定がすでにされているのでしょうが……それがどのくらいなのか。
 仮に一万文字で二円として……。
 人に拠っては数百万文字の創作を持ってる人もいるでしょうから、五百万文字あれば……それでも千円か。
 千文字一円でも、百万文字書いて千円。
 ちょっと労力に見合わない気がしますね。
 文字数当たりの換算レート次第ですねぇ、やっぱり。
 これの目的は、こういう形で人を集めることによって、とにかく拡充することでしょうね。
 最初の時点では招待制みたいですが。
 中身を覗いてみたくはありますが……うーん。

 しかし現状、小説投稿サイトは、ある意味ではピークは過ぎてるのは確かで。
 結局玉石混合が過ぎる投稿サイトで本当の意味で玉、つまり大きく展開できるような作品を探すのは、多分至難だと思います。
 SAOや転スラ、薬屋の独り言、本好きの下剋上、オーバーロードとかは極めて稀な例外です。
 そんな中で新しいこういうサイトの登場は、あるいは何かの変化になりえるんでしょうかね……。
 実際のところは、ただ文字数稼ごうという人だけが飛び込みそう。
 AIによって水増しする人も出るだろうし。
 ぶっちゃけると、少なくともカクヨムである程度稼げている人は、行くメリットはほとんどないでしょう。
 なろうの方は、収益化が出来てないから行く人いるかもですが、上位の小説を持つ人はアルファポリスやカクヨムでも展開はしてるだろうし。
 結局読む人がいなければ意味がないわけで。
 どうなるか、しばらくは様子見ですかね。

 ちなみに会社情報を見てみると、設立は2024/03/25とわずか四カ月前。
 このサイトを立ち上げるためだけに設立した会社と思われますが、取引先の記載とかがないので、資金源が一切不明。
 色々謎過ぎる……。

[追記]
このサイトの設立は、主に中韓でWEB投稿サイトのマネタイズが上手くいってるから、日本でも、というつもりらしいです。
が。
中韓と日本では事情が違い過ぎる気が。
というか、このモデルを目指してるなら、失敗する未来しか見えないように思えます。
結局、日本の場合はWEBでがっつりを本を読む文化はないんですよ。
正しくは、それならちゃんと買う。
無料投稿サイトに行く人は、ぶっちゃけていえば『オタク』です。
普通に本を読む人はそんな場所に行かないです。
その潮流を変えたいという意気込みは分からなくもないですが、カクヨムネクストでダメなのに、こんなサイトで出来るかといえば……おそらく無理でしょう。
もちろんこれ自体はおそらく閲覧は無料なので、カクヨムネクストと同列に比較はできないですが、そもそもそちらのサイトに移動する人がどのくらいいるのかという問題。

やるなら最初からネットで人気がある作品(作家ではない)を独占契約で引っ張ってくるか、いっそすでにネームバリューのある人気作家と契約して、そのサイト『だけ』で連載契約を取り付けるとかしないとダメかと。
そんなお金があればですが。
例えば、田中芳樹が定期的に新作を置いてくれるサイトなら、私は見に行きますね。そのくらいしないと、多分そもそも読みに来てもらえないかと。
名前だけで客を引っ張れるWEB小説作家なんて、ほとんどいないですからね。

でもとりあえず投稿者にギフト券くれるというし……いや、もう終わってるな。
600人じゃ。


ちなみに調べてみたところ、この会社、求人募集をしてるのですが、その内容が以下。
●自社サービスのカスタマーサポート
●WEB小説の副編集長
●版権管理スタッフ
●小説業界でのSNSマーケティング/運用/企画担当者
●WEB小説編集
年収はビズリーチではすべて応相談。
リクナビだと336-500万から、600-1000万と幅がありました。
とりあえず転職情報サイトから持ってきた(w
しかしこれ見る限りだとエンジニアは足りてるのでしょうかね。
……足りなかったらサイトリリースできないか。
まあしばらく様子見ですかねぇ。


●転移直後に竜殺し
 https://kakuyomu.jp/works/16817330660905115993
 大学生になる直前の青年が異世界転移して剣と魔法の世界を冒険するお話です。
 基本、二日に一回、0時更新。明日更新予定です。

●白雪姫の家族
 https://kakuyomu.jp/works/16817330656060480073
 超スローペースで進む年の差(八年)ジレジレ恋愛モノ。
 なお、時間進行それ自体は遅いわけではなく、すでに開始から二年半経過。
 高校一年生だったヒロインも今や大学生になってます。
 でもまだくっついていません(笑)
 基本、今は四日に一回、0時に更新。次回は29日です。

10件のコメント

  • ほへ~。情報ありがとうございます。ちょっと覗いてきました。

    書くことに専念させてくれるという理念には共感できるのですが、結局のところシステムが作品を作る部分はありますからね。YouTubeさんで言えば、AIが静止画背景の合成音声解説動画をスパム扱いして、多くの人たちが背景を無意味に動かし始めたように。

    文字数に応じたインセンティブ・・・私はこの考え方には悲観的です。ダラダラと長いだけの文章とか、素材を垂れ流しているだけの文章なんて読みたくない。投稿者の文章を下手にする可能性が高いシステムだと思います。(最悪、AIに書かせただけの中身のない小説を延々と垂れ流してもお金になっちゃうの?とか)

    もっとも、主様がご指摘されているように、これ目当てで引き延ばしても、割には合わないでしょうから・・・長編作品をある程度集めたいという運営の意図でしょうかね。
  • ほ~、こういうものがあるんですね。
    抜け穴がありそうなので、最初は招待制ということでしょうか。

    新規サイトはどうしても読者が少なくPVでの報酬が発生しづらい難点は克服できそうですけれど、果たしてどうなりますことやら……
  • > 杜若狐雨 様
    当該のぺけったーの書き込みでも、AIによる水増しを懸念する人が多くいましたし、ほぼ確実にそれは起きるでしょう。
    実際のところ、この『文字インセンティブ』はただの客寄せパンダという気はします。
    実際問題、記載の通り大した金額になるとは思えず、そして多くの人が読むであろう人気作品はこちらに転載するメリットはなく。
    結果として『AI水増しを含めたどうしようもない作品』と『WEB受けはしないけど真剣に書いたレベルがある程度高い作品の一部』あたりが出てきそうな気は。
    後者が増えればいいのでしょうが、上述の通りインセンティブなんて雀の涙に等しいでしょうから……微妙ですね。
    資金源も謎ですし。
    あるいは、最初から作家を探すつもりなのかも、という気もします。

    > 川野遥 様
    PV数稼げますかねぇ。微妙な気がする。
    招待制にしたのは敷居の高さがあると思わせるためかなという気はしました。
    文字インセンティブは明らかに耳目を集めるためでしょうし。

    > 天音 朝陽 様
    おおう、早速。
    文字インセンティブはその他に発表されている金額からすれば、ホントにおまけ以下だと思います。
    書いた通り、2000万円というのが一体どのくらいで支払われる総額なのかすら分からないので、評価できない。
    例えばカクヨムのリワードで配られている金額は、おそらく毎月でこれを軽く上回るかと思います。
    そう考えると、客寄せパンダ以上の狙いはないのかな、とは。
    これで各出版社が出資してるとかならまだ分かるのですが、会社のサイト行ってもその辺が全く分からなくて……。
  • 追記部分拝読。

    ドラッカーは企業の基本機能のひとつにマーケティングを挙げています。そして「顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるものが決定的に重要である」と述べています。

    もし主様がご指摘されているとおり、このサイトが中韓での成功体験をそのまま日本に持ち込もうとしているのなら、明らかにマーケティング不足でしょう。中韓国民がお金を出してもいいと考える部分と、日本国民がお金を出してもいいと考える部分は別物でしょうし。

    > 結局、日本の場合はWEBでがっつりを本を読む文化はないんですよ。

    このご指摘がすべてでしょうね。ニーズを完全に見誤っている(というか調べてすらいない)気がします。

    たとえばですが、中高生向けのラノベをWEBで広めたいとして、それを彼らが学校の休み時間にスマホで読めるかと言われると、普通は読めないんですよ。大抵の学校では、校舎内でスマホの電源入れるなって指導されてますからね。ゲームやブラウジングなんかまでできてしまう多機能性が、学校にとっては看過できませんと。けど、紙の本であれば持ち込める。なんなら図書館に置いてあったりもします。すると、紙媒体で読んだ方がいいってことになってしまいますよね。

    ところで、中国と韓国ではなんでそんなにWEB小説がうまくいってるんでしょ?(中国は中国は国土の広さ、言語の地域格差、言論弾圧なんかがあってWEBが活字情報の場として発展するのもなんとなく理解できるんですが、韓国がようわかりません)
  • > 天音 朝陽 様
    実際、本当に稀にWEB発で大ヒットが出るだけで、実際には宝くじで一等当てるのとどちらがマシか、というレベルなのがWEB小説の世界だと思ってます。まあ5等とか6等とかならもっと多いですがね。
    少なくともあのサイトがそこまでの大ブレイクを巻き起こす起点となれるかといえば、ほぼ無理かと。
    日本は伝統的に、パイオニアが圧倒的に強い。
    このカクヨムは相当頑張った方だと思いますし、アルファポリスが知られるようになったのは、間違いなくあの膨大なTVCMの効果です。
    他にもハーメルンとかありますが……すみません、私はなろう、カクヨム、アルファポリス以外の小説投稿サイトは実際に投稿を始めるまで知りませんでした。
    Pixivですら、小説できるとは知らなかったです(二次創作が可能な最大手ですが)
    あのサイトが知名度を上げたければ、書いた通り圧倒的な知名度を誇る作家を抱き込むか、赤字承知で数億円投じてTVCMを含めた広告を打ちまくるしかないでしょうね。

    田中芳樹は『銀河英雄伝説』『アルスラーン戦記』『創竜伝』辺りが有名な作家です。
    銀英伝のお勧め箇所? え? ……全部です(素)
    マジで。
    戦記物嫌いでなければ、うっかり読み始めたら確実に時間持ってかれると思います。
    それくらいマジで面白いです。
    特に作者がまだノリノリだったころの作品であることもあり、本当に全部面白いです。
    とてつもなく長いといっても、グインサーガやローダンシリーズよりははるかに短い(新書で僅か10冊)なので、全然余裕で読めます。
    ちなみに、私は高校生の時に三日位で読みました。
    今も家にあります。なお、一巻はサイン入り(w
    私はあの人の影響は相当に受けてるので、私の文章が気に入っていただけているなら、かなりの高確率で気に入っていただけると思います(遥かに面白いと思いますが)
    なお、銀英伝はアニメもあるから、キャラのイメージ膨らませるのに公式サイトを見に行くのはあり。
    アニメは二種類ありますが、多分どっちでもイメージはそう違わないです。
  • > 杜若狐雨 様
    長くなったので分割(w

    正直今まで話題にすら出てこなかったことも考えると、プロモーションやマーケティングがあまりに甘い印象があります。
    一体どこから資金調達したのだろうと思うレベル。
    五億円とか大きく言ってますが、正直どう考えてもその『程度』ではすぐ資金切れ起こすかと。
    中韓と日本ではお金に対する使い方が絶対的に違いますしね。
    というか、日本は基本的にWEBにはお金をほとんど使わない。
    パズドラが大ヒットした理由は、間違いなく『無料』だったからですから。
    (ソシャゲ業界の会社にいるのでそのあたりの経緯は知らずのうちに知るというか)

    ちなみに最近は、授業中以外はスマホを使うことは解禁されてるみたいです。
    というのは、学校の連絡事項も普通にLINEとか専用のSNS使うそうなので、むしろないと困るレベル。
    ただ、そもそも学校の短い休み時間でスマホでアプリ起動して……というのはやらないというか、スマホは他のことができ過ぎてしまうので、やはり読書に使う媒体という意識そのものがあまりないっぽい。
    あとは漫画の方を読みますからね。
    小説は読まない。
    うちの子も小説は基本紙で読んでます(ラノベ系ばかりですが)
    なろう系はさすがにWEBですが、絶対的な分量は違うでしょうね。

    中韓でWEB小説が受けたと言ってますが、以下は私のあちこちから聞いた限りの推測で、合ってるとは限らないという前提で。

    韓国に関しては、そもそもいわゆるネット発の方が一般的で、かつその市場が大きいようです。
    それでもグラフ見るとそこまでではないとはいえ、例えばネットの小説賞でも金額の規模が段違いです。
    日本みたいに『優秀賞』として賞金なし、書籍化はするけど、みたいなのではないようなので、熱量も違うのかと。
    このあたりは、韓国系の資本で運営されてるピッコマとかの漫画原作小説のコンテストなんかを見ると顕著です。
    あれ、年間最優秀賞の賞金、1000万ですからね。
    その分、本気度も違うのではないかと。
    あの国は社会構造がかなり歪で、日本とはかなり違いますからね。
    ごく少数の大企業とそれ以外の差があまりに大きすぎるので、そういうところでのワンチャンにかける情熱が多いのかもしれません。

    で、中国については完全な推測になりますが……。
    そもそもで、『WEBにお金を払う』という感覚があるのでは、という気がしています。
    中国は日本とは比較にならないほど規制が強い。
    そんな中でサービスするものには、お金を払うという感覚がある程度あるのではないかと。
    というか、そうじゃないと中国の市場規模は、いくら人数が多いとはいえちょっと説明できない。
    ネットでお金を払うというのが当たり前という感覚があるなら、やりようもまた違ってくるでしょうし。
    まあ中国は昔は日本の海賊版とかで酷い状態でしたし、それに関しては今でも怪しいところもありますが……。

    上記は合ってる保証はしないというか、大幅に的外れの可能性もありますので、ご了承ください(汗)
  • 色々書かせてしまってすみませんでした。m(_ _)m

    韓国は戦時中に日本語教育受けさせられたり、1990年くらいまでまともに復興できていなかったから、出版業界が育っていなかったのかもしれませんね。仰る通り、社会構造は歪で受験戦争もひどいもんですから、国民が娯楽そのものに触れる機会も制限されていたのかも。

    中国は・・・わからないですね。なにしろあの国の情報それ自体がないので。ただ『WEBにお金を払う』で思い出したのですが、2011年にテンセントが導入したWeChatが社会構造を変えちゃったことが大きいかもしれません。オンライン決済のWeChatPayなんかが実質的にインフラ化して、国民の大多数がもはやWeChatなしでは生きていけない状態になっちゃいましたし(海外含めると利用者数は脅威の12億人!)。なので、WEB小説がこのインフラに融合してしまっているなら、電気代を支払うような感覚で支払いが発生しているのかもしれません。

    ではでは。お返事ご不要です。
  • > 杜若狐雨 様
    返信不要と云われてしない人がいるでしょうか、いやいない(反語)
    いないとは限りませんが、それはともかく(笑)

    韓国はともかく、中国はそんなことに……。
    なるほど。ネットで最大の問題は決済手段で、それがインフラ化してたら敷居は低いかもですねぇ。
    日本でも有料放送が定着するまでは相当に時間かかって、やっと定着したと思ったらネットに席巻されましたしね……。
    Wowowとかスカパーとか、今じゃもう……。
    日本人はNHK除いてメディアにお金を払わないのが一般的ですから、全然違うんだとは思います。
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