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角川のサイバー攻撃の被害

 角川グループ全体がランサムウェアにやられて現在も復旧に時間がかかってるとのことですが……。
 未だに復旧していないというから結構驚きます。
 どんだけ派手に被害が出たんだろうと。
 まあ、この手のシステムってありとあらゆる場所に繋がってますから、そこからどんどん侵入されちゃったんでしょうね。
 おそらくトリガーはうっかり社員の一人が、オンライン状態でランサムウェアを起動してしまったんでしょう。さすがに、外部からアクセスできる抜け道があったとは思えないし。

 これがあるから正直に言うならメールは怖いんですよね。
 とはいえ、外部との連絡でメールを使わないのはほぼ不可能で、そしてメールアドレスは基本的に会社の場合は公開に近い。なので何か変なものが来てしまうのはもはやどうしようもない。
 企業内の連絡でチャットツールが流行るのも、もちろん便利だからというのもありますが、うっかり変なものにアクセスしたりする事故がほぼ皆無というのもあると思います。

 そして角川は、少なくともシステムのバックアップが不完全だったのか……あるいは被害範囲が大きすぎてかつ多岐にわたるからバックアップからの復旧が出来なかったのか。
 規模を考えると後者でしょうか。
 基幹系システムまでやられたとか、本当にすさまじい被害ですし。
 要するに、基幹システムへのアクセス権限を持つ人のパソコンが浸食されて、そこから基幹システムすらやられたのでしょうかねぇ。
 どこにランサムウェアが残ってるか分からないから、それも徹底的に探してるそうですが……つまり強引に復旧させてるってことなんでしょうね。
 フルフォーマットしてバックアップから復元すれば、理屈上ランサムウェアだろうが消えるけど、そうできない事情があるのか……。
 単純に規模の問題で難しいのか。
 あと、最悪の可能性として、バックアップすらやられたか。
 こういうとなんですが、多分角川だからここまでの被害になったのだとは思います。
 要するに、老舗の、かつ極めて大規模な会社だから。

 会社のシステムっていうのは、基本的には古いモノから新しいモノへと少しずつ移り変わりますが、それゆえに大規模な会社ってのは、その構造が複雑怪奇になっていきます。
 角川書店クラスなら、それは相当なものでしょう。
 それを、子会社含めて一元管理できるすっきりした大規模システムに刷新するなんてことは、軽く五年くらいの時間と、あの規模なら数億円から下手すると数十億円かける必要があり、かつそれでも『前より使い勝手が悪い』ということが普通に起きます。まあ使い勝手に関してはこなれて行けばそのうち良くなるのでしょうが……。
 たいていの企業は、複雑化したシステムに合わせた運用と独自ツールを持ってるからそれとの連携が問題になるんですよね。
 そして独自ツールを新システムに合わせようにも、もう作った人がいないとかで改修が上手くいかないとかも。
 だからたいていは小手先の改善で何とかする。
 そうするとシステムが複雑なまま放置され、結果セキュリティの仕組みも複雑になるため、今回のようなことが起きた時に影響と被害を抑えることが難しくなる。
 さすがに今回で懲りたでしょうし……少なくとも何かあった際の対応が可能なようにシステムを改善していくとは思いますが、それだけのお金があるかどうかですねぇ、もう。
 けどコンピューターの世界は日進月歩。対策は必須。
 そして他の大手出版社(に限らずすべての会社)は、これらを他山の石として、同じことが起きないように対策をしていく必要には迫られるでしょうね。

 ちなみに。
 実は私の今いる会社も、かなり昔(多分六年くらい前)ですがランサムウェアにやられたことがあります。
 私の会社の場合は被害は基幹系システムにまでは及ばなかった(基幹システムのアクセスはWEB経由だった)のですが、それでも重要なデータを持つファイルサーバが全部やられました。個人のパソコンまでは及ばなかったですが。
 ファイルが謎の名前に変換されて、暗号化された状態ですね。
 軽く数十万ファイルががっつりやられたのをよく覚えてます。結構パニックになってまして。

 ただ、やられたのがファイルサーバーだけであったこと、そしてほぼ日次でバックアップが取られていて、そちらはやられていなかったことから、一日前のバックアップからファイルレベルで復元することで対応できました。
 全部一気に復元しなかったは、基本差分バックアップなので、それを合成したとしても、OSレベルまでバックアップしたミラーバックアップではないため……。
 当時のランサムウェアはあちこちに潜伏するタイプではなかったようですし、一度被害が出きったらそこで終わりだった……様です(この辺りはうろ覚え)
 あ、発信源だったPCは当然初期化されました。

 問題は手作業でファイル指定して一つ一つ復元する作業なので、数日かかる作業だったのですが……これに関しては実は私が何とかしました。
 プログラムでファイル指定で強引にバックアップから復元するバッチプログラム作って。なので確か三時間くらいで元通りに。
 やり方よく覚えてないんですけどね(ぉ
 なんかこれできるかも、ということでやったらあっさり出来てしまって、当時とても感謝されたのは覚えてます。
 最初、人海戦術で対応しようとしてましたからね。
 結果、発生当日にはファイルサーバは前日の状態まで復元。
 それ以外の被害はなかったです。

 まあとりあえずあれです。
 よくわからないファイルは触ってはいけない。これは絶対です。
 正直ホントにこの手の犯罪やる連中は〇ね、とは思いますけどね。
 あれかなぁ。いつかこういうのを自動で迎撃するAIとかが生まれるんでしょうか。でもそれを攻略する手段も……といういたちごっこなんでしょうけどねぇ。


 で、今後は近況ノートに後ろに連載中の作品の宣伝くっつけることにしました。

〇転移直後に竜殺し
 https://kakuyomu.jp/works/16817330660905115993
 知らない人ほぼいない気はしますが、私が書いた中では一番人気。
 大学生になる直前の青年が異世界転移して剣と魔法の世界を冒険するお話です。
 ……嘘は言ってない、うん(笑)
 基本、二日に一回、0時更新。
 今日も更新しました。

〇白雪姫の家族
 https://kakuyomu.jp/works/16817330656060480073
 超スローペースで進む年の差ジレジレ恋愛モノ。
 なお、時間進行それ自体は遅いわけではなく、すでに開始から二年半経過。
 高校一年生だったヒロインも今や大学生になってます。
 でもまだくっついていません(笑)
 基本、今は四日に一回更新。
 次の更新は明日の0時、つまり今日の夜です。

白雪姫の家族は現在『小説家になろう』でも細々と公開中。
転移直後に竜殺しも八月から『小説家になろう』で展開予定。
こっちは、さいとう みさき 様が作ってくださったイラストも掲載予定です!

7件のコメント

  • 大規模システムのアップデートは大変ですからね。みずほ銀行のシステム障害を思い出してます。ま、KADOKAWAはセキュリティ対策が甘く、みずほは御家騒動で自爆しまくってる印象ですけど。

    以下、みずほシステム障害の歴史。主様が書かれていることの補足になれば。(なるのかな?)

    もともとみずほ銀行は、2002年4月1日に第一勧銀・富士銀行・日本興業銀行の3つを合併したところがスタートです。なので、第一勧業銀行=富士通システム・富士銀行=IBMシステム・日本興業銀行=日立システムの3つのシステムを統合するところから始めなければなりませんでした、と。もうこの時点で嫌な予感しかしませんね。

    2002年4月1日(すなわち営業初日)にいきなり最初の障害起こして、システム統合不十分の深刻さをようやく認識。同年12月に移行完了。4000億円かけたけどポンコツシステムしかできなかった。(これが発覚するのが次の2011年)

    2011年3月、東日本大震災でシステム障害起こして、120万件・8000億円超の振込未処理と100万件超の入金未処理を起こす。原因は義援金による入金過多エラー。業務改善命令を受ける。このとき、先の2002年12月システムでは、実質的に1988年のシステム(=第一勧銀の富士通システム)を使い回していたことも発覚。これで今度こそちゃんとしたシステムを2016年3月までに作るぞと宣言。(=フラグ)

    新システムの発注先は、利権が絡みまくった挙げ句、富士通・IBM・日立・NTTデータとその子会社群。総勢1000社・8000人を超える開発陣。当然システムなんてまとめられない。予定は1年半も遅れ、2017年7月にようやく完成。そこから移行作業に2年かかって、2019年7月に運用開始。ちなみに開発費は4500億円。

    2021年2月末、またもや大規模障害発生。今回はATM5900台のうち4300台が稼働しなくなる。原因は口座の切り替え作業をマニュアルでやっているうちに起こしたメモリ不足。更にここから10日ほどの間にプログラムの更新ミスやデータセンターのハードウェア故障で障害が連発。

    というわけで、大手銀行でさえこうなんだから・・・というお話でした。長文すみませぬ。
  • うわーあ。
    大変だったのですねぇ〜
    うちの会社もサーバーはバックアップだけはしっかりやってたなぁ〜
    技術系なので、メインデーターはホストとそのサブにすぐに記録ですが......
    最近メールってあまり使ってないような?
    客先からはUSB送付が基本になっているので、客先簡単連絡はLINEですね〜
    グループ化してるのでみんなに読まれて客先上司も知らぬ存じませぬが使えなくなったのが利点かな?
    納品2日前に仕様変更要望とかは流石になくなったw
    まぁサイバーテロ歯無くならないでしょうが、とにかくKADOKAWAさん頑張ってください。
    まだトリぬいぐるみストラップ着てないし、スニーカー一次結果も分からないですもん。
    あ、イラストがんばりますね〜
  • > 杜若狐雨 様
    うわ、詳しい(w
    ……ここでオソロシイ話を一つ。
    私、これに巻き込まれかけました。
    2001年だったかな。
    新しい仕事があるからといって銀行系に行ってもらうからJavaを覚えろ(当時C言語メインだった)と言われたので勉強してたのですが、一か月後、結局その仕事はなくなって別の仕事に。
    で、後で聞いたら……それ、みずほのアレ関連だったそうです。
    当時いた会社の取引先の一つが日立システムだったのでまず間違いなく。私もそちらの仕事をずっとしてたから、それでそのままアサインされかけたんでしょう。
    巻き込まれなくてよかったーっ、と後日ホントに安堵しました。

    > さいとう みさき 様
    BtoBだとそれでいいんですけどねぇ<メール使わない
    取引相手が個人が多い(要は作家とか)と、やはりまだメールメインなんです。
    私も会社も出版業ではないですが、個人クリエイターが取引先に多いので(私はやり取りはしませんが)
    いちいち取引先様にアカウントなんて作ってたら大変なことになるし、かといって個人アカウントに会社の情報を閲覧させられるようになんてできないし。
    あと、連絡事項は基本的にメールですしね。
    むしろUSBでやり取りというのは……うちは聞いたことがないですね……。
    あとはホントにGoogleドライブとかつかってデータやり取りしてますし。
  • > 私、これに巻き込まれかけました。

    吹きましたwww

    いやまあ、この業界の方だというのは読んでいてわかったので、話くらいは通じるだろうと思って書いてみたのですが、ほんとに通じてしまうとは。(笑) この一件は本当に大規模で、五次下請けくらいは当たり前だったと聞いてます(一説によると七次とか?)。なので、ニアミスしていらっしゃった方はさぞ多いのでしょうね。主様が巻き込まれずに何よりでした。
  • > 杜若狐雨 様
    このネタ来ると思わなくて私も笑いました(w
    今はSIerではなくて、今の会社に入ってからはSEはSEでも社内SEで、この手のニアミスは起きなくなってますが……。
    (今はSEですらないですが)
    日立系列が顧客だったので、多分いっても三次請けくらいだったとは思います。
    なくなったと聞いた当時は残念だと思ったこともありましたが、その後アサインされた仕事はやりたかった分野だったので問題なかったし、あとであの問題を知ってホントに安堵しましたよ(笑)
  • 専門的なお話しの数々。興味深く拝読させていただきました(*^.^*)
    半分も理解できていないとは思いますが、どこを理解できていないかも分からない素人です。
    とは言え、今年に入ってわたしの勤める職場にも、突然怪しげな個人メールが入ってくるようになりました。本文にはストレートに「ハロー アイム ハッカー」って英語で……((( ;゚Д゚)))
    なんじゃこりゃ!? ですよね。。
  • > 弥生ちえ 様
    普通の人は分からなくていい、荒んだ業界の話ですよ……(マテ)
    しかし謎のメールはホントにたくさん来ますよね……。
    『I'm hacker』はストレート過ぎる……と思いがちなのですが、実は英語の『hacker』はコンピュータの専門家を指す言葉なんですよね。
    なので『課題があるなら解決するよ!』的な売り込みだった可能性も。
    日本ではハッカー=サイバー攻撃やる人というイメージですが、これはホントにイメージの問題。
    そういう人は正しくは『クラッカー』(食べ物ではないです)というのが正しいのです……が。
    馴染んだ和製英語ですから仕方ないですね(w
    (だから今は『ホワイトハッカー』なんて言葉が出てきてますが)
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