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惑星の彼女、一周年記念(追記)

更新張り切りすぎて年を跨いだ作品です。
本編おまけに新SSと、下記におバカなおまけを書きました。
〇〇しないと~ネタは初めてです。

今日はお祝い!🥂

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 おまけSSです。添付忘れ。一番最後です!
https://kakuyomu.jp/works/16817330650472937485/episodes/16817330653597974787

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『相手を本気で愛してると言わないと出られない部屋』

 夜水の曾祖母の曾祖母が見せた世界なのか。
 夜水と辻は、知らん六畳一間の部屋に飛ばされ、立ち竦んだ。
「辻……ここ何だ?」
「俺が知る訳ないだろ……」
 二人は何も無い部屋にキョドるも、一際目立つ掛け軸を敢えて無視していた。
 三十分後。
 二人で畳に倒れても、状況は変わらなかった。
「夜水。バカバカしいが、本当にあの掛け軸の通りしないといけないようだ……」
 辻は、愛してる等しょっちゅう言っているが、夜水は実行しないだろう。しかも〝本気で〟という、酷い注文付き。なら、この魔の領域から二人は生涯出られない。
「そうか」
 背中を丸める辻の横で、夜水はスクッと立ち上がった。
「辻、俺を愛してるか?」
「そりゃ、その、愛してるさ」
 ノルマ達成の為に告げたが、意味がないだろう。
 ──が。
「そうか。俺も愛してる」
 夜水が微笑む背後で、障子がスッと開き、眩い光が二人を包んだ。

 見慣れた部屋に辻は起き上がった。そこは、いつものベッドだった。うとうとしていたらしい。
「夢だったのか……」
 二度と聞けない言葉だとしたら、魔窟に生涯居ても良かったかもしれない。
 辻は悲しみに顔を覆った。

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