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今回は第12.5話に登場した「住吉神社の流鏑馬」と「弥五郎どん」について、今回は少し文化・民俗学的な視点からコラムをお届けしたいと思います。
第12.5話
https://kakuyomu.jp/works/2912051599745418400/episodes/2912051600285928428
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■ 鹿児島に伝わる「三つの流鏑馬」と住吉神社
鹿児島県内には、古くから受け継がれている伝統的な流鏑馬が主に「三つ」の地域(肝付町、日置市、曽於市)に残されています。
中でも肝付町の「高山流鏑馬」は約900年という県内最古の歴史を持ち、これらは県指定無形民俗文化財として、今も勇壮な神事が奉納されています。(下部にAIで作成したイメージ画像を添付しています)
今回の舞台となった曽於市の「住吉神社の流鏑馬」もその一つで、毎年、霜月(十一月)の第三日曜日に行われます。
武芸の披露という側面以上に、翌年の豊作を占う神事としての意味合いが強く、馬を駆けさせながら三か所の的を射抜きます。
この的に矢が当たるほど翌年は豊年になると言われ、射抜かれて割れた的の板を持ち帰ると「家が栄える」縁起物として扱われています。
地域に深く根ざした信仰の形を見ることができる素晴らしい文化です。
■ 街を練り歩く巨人「弥五郎どん」
そして、もう一つの曽於の象徴が岩川八幡神社の「弥五郎どん」です。
毎年十一月三日の例大祭で登場する、身の丈4.85メートルもの巨大な人形です。
実はこの弥五郎どん、伝承によれば「三兄弟」であると言われています。
(作中で主人公の紺青が「七メートルで動きづらいのでは……」と考えていたのは、宮崎県側に伝わる三男の弥五郎どんです)
これほど巨大な神様が古くから伝わり、現在も人々に愛されている点に、この土地特有のスケールの大きさを感じます。
■ 伝承に潜む「三」という数字
こうして鹿児島の文化を紐解いていくと、ある一つの数字が浮かび上がってきます。
それが「三」です。
・鹿児島県内に伝わる伝統的な流鏑馬(肝付町・日置市・曽於市の三地域)
・住吉神社に祀られる神様(底筒男命、中筒男命、表筒男命の三柱)
・流鏑馬で狙う的の数(三か所)
・流鏑馬の開催日(十一月の第三日曜日)
・弥五郎どんの開催日(十一月三日)
・弥五郎どんの伝承(三兄弟)
日本の民俗学において「三」は聖なる数字、あるいは物事が満ちる区切りの数字としてよく扱われますが、この土地の行事にも見事に「三」が散りばめられています。
そして本編をお読みくださった方はお気づきかもしれませんが、紺青冬凪命の戦闘スタイルも「三撃で終わらせる」というものです。
自顕流の本来の一撃から、ある理由があって「三」に落ち着いた彼の型ですが、奇しくもこの土地が持つ「三」の文化と静かに共鳴する形となりました。
物語の裏側にあるこうした文化的な背景や、土地の空気感が少しでも伝わっていれば幸いです。
引き続き、本編をお楽しみください。
第12.5話
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