ここまで『45歳、妊娠しました』をお読みいただき、本当にありがとうございました。
本作を書き始めたとき、私は「年齢を重ねてからの妊娠・出産」というテーマに、正直なところ戸惑いもありました。けれど、今の社会では現実に起こりうることであり、同時に大きな喜びと試練をもたらす出来事でもあると感じました。
主人公・美香は45歳で妊娠し、キャリアや家族、そして社会からの視線に揺れながらも、最後には「母として、人としてどう生きるか」を自分なりに選び取ります。その姿は、特別な誰かだけの物語ではなく、私たち一人ひとりが人生の節目で直面する「選択」の象徴でもあるのではないでしょうか。
また、この作品を通して描きたかったのは「家族の再生」でもあります。
夫・健一、娘・結衣、そして新しく生まれた蓮。三人と一人の歩みが重なり、時にぶつかり合い、やがて支え合いながらひとつの家庭のかたちを築いていく。そこには年齢や立場を超えた「絆の力」があると信じています。
もしこの物語が、読んでくださった方に少しでも勇気や温かさを届けることができたのなら、それ以上の喜びはありません。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。