皆さま、初めまして。
しんらまんぞう(漢字なら森羅万象)と申します。黄表紙作家の森羅万象(森島中良)氏とは、縁もゆかりもございません。
さて、名もなき衆生のひとりが、ひとつの作品もあげないまま、こうしてわけのわからぬ前口上を口にしたとて、何この人? となるのが普通でございましょうが。
敢えてこのような形をとらせていただいたのは、私が別名義でつい最近まで、ここカクヨムの隅っこで遊ばせてもらっていた一人のカクヨマーだったからなのです。
なんだよ、カクヨマーって。
お付き合いさせていただいた方も少なからずいるのに、突然垢消しをするという、ハングマン(注釈:聞いたこともない人はお父さん、お母さんに聞いてみよう!)もかくやという荒業に出たのは、禊の意味がございました。
そもそも私がカクヨムを始めたのは、ほとんど負け報告しかしてないような場末のパチ(スロ)垢が突然異世界系の作品を連載し始めたら、アホっぽくて面白いだろうと、そんな理由からでした。
普段は腰が重いくせ、突然思いつきを行動に移す悪癖のある私の、それはほんの茶目っ気でした。
案の定、特に反応もなく、それでも嬉々として書いていたのですが、ふ、と熱が冷め、
(もうやめっか……)
となった時にKACというイベントが始まったのです。同じアホなら踊らにゃ損々という心境でとにかくお題を早めにこなしてあげはじめたところ、こちらが感想を書いたからではあるのでしょうが、急に読まれるようになり、また反応も出てきて、それが楽しくなったのです。
パチンカス異世界の時はPCで書いていましたが、KACに追われるようにスマホ執筆を覚え、日常的に書くというハードルがずいぶん下がったというのも大きいと思います。
そうして、思いつきで始めて、すぐやめるんだろうなきっと、と思っていた私は、その後もカクヨムを続けることになりました。
そうなれば、かつてネットで交流の始まった人にも読んでもらいたい、と思うのは自然の流れ。……なのですが、そうできない理由がありました。
そう、カクヨムを始めたきっかけ、パチンカスが急に異世界転移モノを書き始めたらウケるかな、というアレです。
どうして問題なのか?
それは私が横浜に住み始めてすぐ、最初は家賃だなんだの問題で借金をし、最初こそ余裕がなかったのでたまに5スロをやるぐらいだったのが少し安定してくるとガッツリやり始め、生活費交友費諸々含めて金が足らず、さらに借金を重ねて、と気づけば八十万ほどに借金は膨らんでおりました。
これはアカン、と当時はまだ一緒に住み始めたわけではない家人に’15年頃借金があると告白し、これまでみたいに飲み歩いたり出かけたりはできないが我慢してくれ、と伝えました。
彼女は「いいよ!」と快く応え、三年ほどで返し終わったのですが、問題は
「もうパチンコはやりません」
と念書を書いたことでした。
借金を返し終えるまではしません、にすればよかったものを、そのぐらいしないと反省してると思ってもらえないだろうと、私はできもしない約束をしてしまったのです。
ここまで書けば、察しの良い人でなくても気づくのではないでしょうか。
パチンコをやってないことになっている私が、実はやってました、とバレることはなんとしても避けなければならなかったのです。
とすれば本来のTwitterアカウントで宣伝することもできず、そもそも小説を再び書き始めたことを知られるわけにはいきません。デビルマンみたいなものです。
それが、バレました。
裏切られたことが悔しいと、なんで言ってくれなかったんだと言われました。それがまずあって、元々創作仲間だった彼女は、書くなら書くで私にも言って欲しかった、なんで私のことをネタにして書いてるの私の温めてたネタだったのに勝手に使って、おまけに私がブログで一緒にやろうといってたときもなんやかんやで面倒くさがってやらなかったのに他、諸々、許し難いことが積み重なって、我々は戦争状態に入りました。
すっかり疲弊した私は、カクヨムを、それからカクヨム用に作ったX垢を消そうと思いました。
そして、小賢しくデータを残すだのなんだのの余裕もなく、えいや、と終わりにしました。
そんな経緯で、また一から……でもなく、直書き以外の作品はスマホに大体残っているので、再構築はそれほど難しくもありません。
何より親しくしてもらってた人も少なからずいるし、古い付き合いの人にも、実は最近こんなにやってたんだぜ、というのを見せたい気持ちもあります。
面倒くさがりの私なので、一気に、とはいきませんが、また元のような活気が戻ってくれるといいな、と思ってカクヨムを始めることにしました。
なので、皆さま、初めまして。
まんぞうです、これからもよろしゅう。