昔から、私は“本当にならないこと”が苦手でした。
些細な一言、小さな約束——それが果たされなかったとき、何でもない顔でやりすごせない子どもでした。
71話に出てくる“あいまいな約束”は、そうした自分の感覚をもとにしています。
言葉にしてしまえばすぐ消えてしまうようなやりとりの中にも、確かに「祈り」や「信頼」はあって、それが裏切られたとき、心に残るのは怒りよりも、静かな痛みのようなもので。
今回はわかりやすい形で描きましたが日常にも小さく蔓延っているものだと思います。
読んでもらえたらうれしいです。