まずは「幼い頃から恋焦がれているなんて聞いてない!」をお読みいただきありがとうございます。
1作目「片思い令嬢の傷心」を終えてから更新を始め、日常での多忙に追われる中更新も一時滞り、完結まで約1年を有してしまいました。7月のうちに終わらせられたらと思っていたので、無事間に合ってほっとしています。
65話にて本編完結となりますが、番外編を2本(分割の場合はそれ以上)更新予定なので、そちらがアップロードされしだい完結済み作品に変更いたします。
発端は、変わらない恋愛感情ってなんだろう、そしてそれを変えるほどの行動ってどんなものなんだろう、という疑問でした。
絶対に他の人を好きにならないぞと幼少の頃に決めて、本当にそのままでいれるのだろうか?という問題提起からこの物語が始まりました。
自分ごとになってしまいますが、10年前に抱いた思いも、当時からしばらくは強烈に残っていた感覚でも、生きているうちにさまざまな経験をし、いろんな人と関わり、言葉を交わし、そうしているうちに薄れていったり思いが変化したり、ということが往々にあるなあと思ったのです。
王族であればなおのこと、考えることは自分よりももっとたくさんあって、恋だけに身を置くことはできないだろうし、心変わりもやむなしなのではないかな、と考えたのです。恋とはロマンチックで浮世離れしているもののように思えますが、結婚や妊娠出産といった営みに結びつくと途端に現実味が出ます。物語の中とはいえ、立場を考えると無視できない部分なので突き詰めすぎない程度に考えました。
(当然、だからこそ思い続ける愛を貫くようなロマンス作品は素晴らしいし、ときめきを運ぶのもわかります。私も大好きです。ただ、このテーマを書いてみたいなと食指が動いたのです。否定する意図は全くありません。今後貫き通す愛をテーマに書くこともあるでしょう)
書いていくうちに、立場と役割がテーマとして浮上し、それに向かってキャラクターが動いていきました。
ただやりたいことを書くだけでは、物語は生まれないし面白くもありません。
書いてみたいなと思ったからこそ、ではリネッタはどうしたらシルビオに恋してもらえるのだろう、逆に、ベアトリスはどうしたら過去の幻想から解放されるのだろう、と考えていったのです。
キャラクターが動くにはエピソードが必要です。そうこうしているうちに、これやりたい、あれやりたい、と話が膨らんで、キャラクターも増えていきました。
今となれば、もう少しまとめることもできたのかなあ、と反省しております。更新に時間を置いてしまったことで物語が膨らんだ可能性もあるので、そこも反省ポイントですね。
しかしこうして本編を書き終われば、全てが愛おしいです。どのキャラクターにも私が言いたいことは言わせただろうし、物語に必要な人だから生まれたことは間違い無いです。
誰か一人でも好きなキャラがいたのなら、これ以上ない幸福です。
物語は受け手がいることで形になります。
色々考えを述べましたが、全部忘れていただいて構いません。
あくまで、読んでくださっているあなたが、この作品を読んでどう感じてくれたのか、願わくばそれが長く心に残ればいいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
また次回作でお会いできる日を願っております。
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