短歌を読むのは初めてという方から、短歌連作「鳥の水無月」に感想をいただきました。
「鳥の水無月」はコチラ:(https://kakuyomu.jp/works/16817330661216382892/episodes/16817330661229493089)
大変素敵な読み方をしていただいたので、ご本人のご了承のもと、内容をご紹介させていただきます。
・歪みつつ立たされてゆく鶴たちの背中が徐々にふくらみたがる
「鶴の歌がとてもすき。かくかくした細く長い脚の歪な美しさと、ふくふくと丸みを帯びる背のイメージが強く思い起こされる。羽を広げるのかな、広げないのかな、ってときめきの目線で眺めてるのがとてもかわいい。」
・砂という情緒のかたち青空が崩れないことだけを願って
「砂という情緒のかたち、この表現に心を奪われた。整然と形作られているように見えて、少しの波の余波に乱されて跡形もなく崩れ落ちそうになる様子。
空と海との対比で壊れることを憂慮する心情も伺えて、ただそこにある情景の中のぼんやりとした不安が漠然と共感できる。」
・飛ぶときに耳のうしろを鳴る風よ 町いちめんに咲いている何か
「これは追体験が面白かった。歌の終わりの、町いちめんにさいている何か、で一気に視点が空の高さに上がる。そこで耳のうしろをびゅうびゅう鳴る風を感じる。歌の文字面を追いながら、解釈とか理解ではなく、イメージのカメラ視点切り替えで楽しむ歌。こういう表現もあるんだね〜」
・海の見える丘公園から海でないものばかり見ておかえりなさい
「おかえりなさい、の表現がかわいくて、思わずにっこりしちゃった。素直に共感できる歌。」
そして、締めくくりに……
「ここではじめて、この一連の短歌のテーマを知って、改めて見直すと、紫陽花にふれた冷んやりした感覚が、梅雨明けの雨露が残っていたかもしれないことや、夏の前の海の色や、空に浮かぶ雲の解像度が上がって幸せを感じた。面白いね、短歌」
初めて短歌を鑑賞されたというのが嘘かと思うほど、繊細で丁寧な読み方をしていただきました。本当に嬉しいです✨
短歌を面白い、と思っていただけるだけで心がふわっと温かくなる。
俳句も短歌も、これからずっと続けていきたいと思います!