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【イラスト】這い寄る竜(仮称)

這い寄る竜(仮称)

交易都市エル・ファミル近郊のダンジョンの最深部に潜む、得体の知れない謎の存在。現在タニアが交戦中。詳細な生態については今後のタニアの報告が待たれる。

現時点タニアが把握している情報は、この竜は巨大な口と蛇のような身体をしており、翼は極度に退化しているということ。

この竜は光のないダンジョンに適応するためにか、視覚情報に頼らず音によって獲物を捕らえることを得意としているようだ。

その特徴を動物で例えるならば、地中で暮らすことで目が退化したモグラ。超音波による音の反響で空間やエサとなる虫を捕食するコウモリなどが、比較的近いと言えるだろう。


~【以下ネタバレ注意】~


陰竜ジャバウォック

第一発見者、冒険者タニアがこの竜に名付けた呼称である。この竜は基本的に自ら動くことを一切しない。目、翼、手足などの主要な器官が退化しているのはこの竜の持つ【引力操作】の能力に起因していると思われる。

組合の調査班は冒険者のタニアから得られた情報を元にジャバウォックは以下のような方法で狩りをしていたのではないかと考察している。


【ジャバウォックの狩りの手順】

1.透明化してじっと動かず【引力操作】の範囲内に生物がくるまで待つ

2.能力範囲内に入った生物を指向性引力で引っ張り巨大な口で丸呑み

3.蛇の長大な身体は消化器官を兼ねているのでゆっくりと消化


なお、このジャバウォックは交易都市エル・ファミル近郊に存在する魔物の特徴からあまりにもかけ離れた特徴をしているため、元は別の地域で生息していた存在が渡ってきたのではないかという説を唱えるものもいる。


【渡り説】を提唱する者の根拠として挙げているのは、最深部で発見された残留物だ。ジャバウォックが寝床にしたダンジョンの最深部には、かつてこのダンジョンの『主』だったと思われる魔物の痕跡が残っていたことが裏付ける根拠として挙げられている。


もし、この仮説が事実だとしたら、本来はダンジョンの最深部に存在した主を一撃で葬り、それからは天敵もなく何不自由ない環境で悠々自適に過ごし際限なく巨大に、強力に成長していった可能性が高い。


また、冒険者タニアが遭遇したと証言している魔物の群れの暴走、【スタンピード現象】も、ジャバウォックという明らかにダンジョン内の魔物の生態系を崩す存在に酔って魔物たちに何らかの異常が発生したのではないかと調査班は主張している。


なお今回は、冒険者タニアの尽力もあり、奇跡的に大きな被害は出さずに済んだが、『竜が存在していた』、その事実は都市の住民、および冒険者に大きな混乱を与える可能性があるため、本情報の閲覧は組合の上級職員と組合長直下の上級冒険者のみに制限する物とす。


以上


【これぞ家庭の味!ジャバウォックのスープ】

・ジャバウォックの角切り肉(1,000グラム)
・手千切りキャベツ2/3玉(800グラム)
・ザク切りじゃがいも6個
・玉ねぎ2個
・ブロッコリー1束
・水8カップ
・塩(味の加減をみながらお好みで)
・香辛料や香草(お好みで)
・粒マスタード(お好みで)


★食レポ★

30代男性A 「とても美味しく元気がでました。体の芯からぽかぽかするような、そんなスープでした。妻との仲も深まり、その……俺もまだまだイケるなと、男としての自信が着きました。タニアさん、その節はありがとうございました!」

20代女性A 「あのスープを飲んだあと旦那がとても元気になって、まるで出会ったばかりのあの若かった旦那が戻ったかのように。その、元気に……本当に元気になりまして(笑)その……いえ、こんなことを人様にお聞かせするのは気恥ずかしいのですが……旦那には朝まで寝させて貰えませんでした////」


【6/16記載】※生態情報アップデートされ次第このページが変更されていきます。

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