こんにちは、くさなぎです!
この七時間の幸福という話、本当に会った話を元に書いておりまして、作品に登場する小郷という人物にはモデルがあります。
そのモデルとはプロのミステリー作家・朱郷慶彦さんです。
ご本人にこの話を読んで頂いた所、感想を頂き、ここに掲載する許可を頂いたので、公表させて頂きます。
作家を目指す方、批評部分がありますので、読んだ方は参考になるかもしれません。
◆◆◆
小説、拝読しました。一読して、吃驚しました。
前回お会いした際に読ませて頂いた作品に比べて、比較にならないほどの進歩をしています。
最近私は、夜は早く寝ることにしているので、読むのは明日にしようと思いつつ、少し読みかけたら、一気に最後まで読んでしまいました。
前回、伝えようとして、なかなか伝えきれなかった壁を、自分で越えましたね。
単なるストーリーだけでなく、人間の心の変化が書けています。
ただ、出来が良い話だけに、残念な部分も何点か感じられました。
主人公の小郷がなかなか魅力的に描けているのに対して、若者の笠原のキャラが立っていません。
人生経験が豊富で、作家としても先輩である小郷が見込むだけの若者なのですから、やはり、読者が「ああ、この若者だったら、そうだろうな」と感じさせる魅力がないと小説が薄っぺらくなります。
小郷とのやりとりの中で、笠原の魅力をもっと増して見えるような工夫は不可欠と思います。
あと、小郷の人物像も、もう一工夫するとさらに良くなるように思います。もっと陰影が欲しいですね。
たとえば、本当に詐欺にひっかけるつもりで出張に言ったのに、若者の才能と熱意につい本気になってしまって、言わなくても良い身の上話をした上で、最後は酒断ちをして若者の将来を見届ける気持ちになる、とか。まあ、実話に基づいているから、そのあたりは書くのに遠慮があったか(笑)
以前お目にかかった時にも言いましたが、小説は、登場人物の心が変化する瞬間や様子を描くものです。
ですから、小郷と笠原ともに、この出会いでお互いに何かが変わるところを描きたいわけです。
ガンを打ち明けるというのは非常に良いラストシーンですが、そこにもう一つ、人間ドラマが加わるとさらに良くなるように思います。
感想は以上です。
まったく、がん患者は夜は寝なくちゃいけないんだよ。夜中にこんな文章をわざわざ書かせやがって。今日はもう寝るから、何かあっても返信は明日になるからね(笑)
しかし、ベッドから起きて、わざわざ感想をすぐ送りたくなるほど、力を持った良い作品でした。
ありがとう
◆◆◆
ちなみに朱郷慶彦さんのプロフィール、作品などにつきましては、下記のURLをご覧ください。
朱郷さん、本当にありがとうございました。
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%B1%E9%83%B7%E6%85%B6%E5%BD%A6/e/B00HFUM9TI僕のおすすめは『メインディッシュはあなたに』、という作品です。
ラストのオチを、今でも覚えているくらいに鮮烈です。
もしお時間があれば、お一つどうぞ!