春は素晴らしい。 鼻孔をくすぐる沈丁花の香りに弾む君の笑顔を、桜が讃える。 夏が待ち遠しい。 僕の名を呼ぶ君の声に、蝉時雨も蚊帳の外へと消える。 秋が待ちきれない。茜色の空を眺める君は灯火のように儚く、美しい。 冬は 「お前、何気持ち悪い文章書いてんの?」 はんじょう!? え、どうして?いつの間に? 「いや、ここ楽屋だろ。台本読んでんのかと思ったら気持ち悪りぃ。春だの夏だの、お前引きこもってるから分かんねえだろ。」 はんじょう、それは文学に対する冒涜だよ。 「好きな子でも出来たのかよ。」 そ、それは。 「まぁいいや。ほら、リハーサルの時間だから行くぞ。」 楽屋から去る背中に言葉は出ず、溜め息と共に紙は丸めて窓から投げ捨てた。 春風に乗り紙屑は青空を舞う。 2人の恋の行方は、捨てられた紙屑はどこへ向かうのか。 おにやの本当の気持ちを唯一知る紙屑にもその行方は分からない。 冬は忘れない。はんじょう、君が産まれた季節だ。
何か御用の際には、お気軽にTwitterからご連絡下さい。 今までの経歴 『勇者になれなかった三馬鹿トリオは、今日も男飯を拵える。』双葉社 Mノベルス様 『顧問の先生が素手で幽霊を殴るんだが、どこかおかしいのだろうか?』 スターダストノベルス様 『Redo』カクヨムネクスト様 『ゴーストライター ~嘘つき作家と、笑う父~』カクヨムWeb小説短編賞2023 【短編小説部門】 短編特別賞 受賞
ホラーとファンタジーをメインに書いています。
ラノベくらい俺でも書けるという熱い気持ちが原動力です ブログ:https://saize-lw.hatenablog.com/
「キチかわいい」を世に広めるべく小説を書いています。 ようやく新作を公開。キチかわいいとは無縁だが、書きたいことを書けて満足。
棺桶の中に引きこもって文字を打っている死体です。 まだまだ稚拙な文章ですが、小説を書いておりますのでよろしくお願いします。
ライトノベル作家です。 「田中 ~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い~」(GCノベルズ様) 「西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年」(MF文庫J様) 「佐々木とピーちゃん」(MF文庫J様) それぞれ書籍で連載中となります。 最新の情報はtwitterで告知させて頂いております。 もしよろしければ、フォローしてもらえると嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願い致します。