辻村深月さんの『ハケンアニメ!』
https://bookmeter.com/books/12266521ハードカバーで出たときは手が出なくて(値段も厚みも)こないだやっと文庫で買ったんですよ
面白かったー!
近況ノートで「今期のアニメのお薦めは〜」とかやりとりしてる方々はこのくらいの業界事情はご存知なのかもしれませんが、アニメ業界のお仕事小説、興味深く読めました
2つのアニメ制作現場の人々4人の視点から語られるオムニバス
時系列に沿ってそれぞれの修羅場が進みます
いろんな立場の人の思惑とか感情とか、ね
やっぱり上手いなぁ、辻村深月さん
アニメの演出の話とか具体的には書いてないんだけど、読んでるとそのアニメを自分も見てる気持ちになってくる
続きが読みたい、できるなら有科・斎藤組の話!
デビュー作読んだときにはもっと暗い文学少女っぽい人だと思ってんですが、一度ご挨拶させていただいたときに、リア充オーラ出てるのにこんな心理描写とか上手くてズルいとか思ったり
代表作(って言っていいですよね)の『凍りのくじら』とか新刊の『かがみの孤城』みたいに重くないしオススメ
あと、こちらは今月末発売予定の『猫の話をそのうちに』
https://bookmeter.com/books/12403863著者は『天国の本屋』の松久淳さん
実は『天国の〜』は未読だったりします^^;
なんかあざとそうだったのと、話題に乗り遅れたので
それはさておき、ちょっと『ボクたちはみんな大人になれなかった』
https://bookmeter.com/books/11918562に似てる雰囲気(出版社からのコメントにも燃え殻さん絶賛! って書いてたし)、男はみんな「元カノの成分」でできているって煽り文句でバズったやつですね
http://toyokeizai.net/articles/-/181141?page=4売れないミュージシャンとカリスマ性ある破天荒な先輩(師匠)
いい意味でひっかかったところがふたつ
ひとつめは、元カノからの手紙
見合い相手への返事を遅らせていた理由、「たくさんたくさん書いたんですが、そのことは全部、消しました」って読者に丸投げしちゃってるところ
上手いなぁ、と
具体的に書いてないのに、行間からなんとなく察しちゃう、みたいな
ふたつめは師匠の名言
「無駄に時間をすごすのは好きだけど、時間を無駄にするのは嫌い」
あ、私はけっこう時間を無駄にしてしまってるヒトです^^;
師匠のね、このセリフ以外にも韜晦するような言動とか、そのへんが上手いなぁ、と