高校生の頃、たまたま読んだジェフリー・アーチャーの短編集「十二の意外な結末」に入っている「気のおけない友達」に衝撃を受けた。
主人公が住み込んでるパブで出会った男。他の女性と別れたのを見計らって、ちゃっかりと共同生活を送ることになる。
彼女は、たいして見目の良くない男を好いてはいるが自分の過去は彼には明かさない。昔の男や、子供達の事。
そして……。
最後の一行を読んだ時、文字通りひっくり返った。
自分もこんな物語を書いてみたいと本気で思った。でも、どうやって書いたらいいか見当もつかないまま時間だけが過ぎていった。
「ずっと愛されたいと思ってた。」を思いついて書き上げた時は30年越しの望みが叶ったと思った。