いつも『60年目の解法』をお読みいただき、ありがとうございます。
本日公開の第8話をもって、第1章「呪いの起源」が完結いたしました。
最近は、読者の方々から鋭いご指摘や温かいご感想をいただき、私自身、背筋が伸びる思いで執筆しています。
先日の第5話では、江の島の灯りの表現について「ビーコン(航空標識等)」よりも「灯台(ライトハウス)」の方が情緒的で適切では、という専門知識を持つ読者様からのアドバイスをいただきました。
また、「ドキドキして読んでいます」「胸が詰まります」といった感想も届いており、紅葉の痛みに寄り添ってくださる皆様の優しさに、書き手として救われる思いです。
さて、次回(2月5日・木曜)からは、いよいよ第2章「歪んだ結合」が幕を開けます。
ここからは、新婚生活から一回目の離婚に至るまでの、まさに「化学反応の失敗」を描いていくことになります。
ここで一つ、作中の「事実とフィクション」について裏話を。
この物語は実体験をベースにしていますが、小説として構成する上で脚色している部分も多々あります。
たとえば、大学時代の紅葉と巧。
作中では「ジャズ研でフルートとピアノ」としていますが、事実は「軽音部でロック」でした(笑)。
しかも、巧にキーボードのポジションを奪われた私が、妥協して担当した楽器はフルートではなく……「ベース」だったのです。ブンブンと重低音を響かせていました。
ただ、「巧の方が下手なのにキーボードの座を譲らなかった」という点だけは、悲しいかな、紛れもない事実です(苦笑)。
そんなふうに、事実という骨組みにフィクションの肉付けをしながら、物語は進んでいきます。
第2章からは、新居という密室で起こる「歪み」が加速していきます。
どうぞ、紅葉の戦い(実験?)を見守っていただければ幸いです。
次回、第9話『傷だらけのテフロン』。
2月5日(木)の公開をお待ちください。