どうも、こんにちは。九条蓮です。
本日は『追放された黒剣士は白聖女と辺境でのんびり暮らしたい』作品紹介の記事。
ツギクルブックスさんから、『追放された黒剣士は白聖女と辺境でのんびり暮らしたい』(イラスト:ファルまろ先生)が発売中です!
https://books.tugikuru.jp/202609-tuihousareta/
タイトルを見かけて「どんな話なんだろう?」と思ってくださった方や、気になってはいるけどまだ手に取れていない方に向けて、今日は作者の僕から、改めてこの作品を紹介させてください。ネタバレは序盤の範囲に留めているので、未読の方も安心して読んでもらえたらと思います。
タイトルを見かけて「どんな話なんだろう?」と思ってくださった方や、気になってはいるけどまだ手に取れていない方に向けて、今日は作者の僕から、改めてこの作品を紹介させてください。ネタバレは序盤の範囲に留めているので、未読の方も安心して読んでもらえたらと思います。
■ひとことで言うと
勇者パーティーを追放された剣士と、教会から〝偽者〟にされた聖女。
世界に捨てられたふたりが、辺境の廃村で一緒に暮らしながら、少しずつ幸せになっていくお話です。
■あらすじ
勇者パーティーで前衛も雑用も一手に引き受けてきた剣士、ロイド=ヴァルト。
右腕に刻まれた〈呪印〉が暴走したことと、仲間との〈共鳴スキル〉が一度も発動しなかったことを理由に、彼はレッドドラゴン討伐の帰り道でパーティーを追放されてしまいます。しかも有り金も荷物も取り上げられて、表向きは「戦死」扱い。
行くあてもなく夜の街道を歩いていたロイドは、森の中で、神官騎士たちに追い詰められたひとりの少女と出会う。
彼女の名は、ルーシャ=カトミアル。大陸中にその名を知られる〝白聖女〟でありながら、「今の教会は道を見失っている」という神託を伝えたせいで、〝偽聖女〟の烙印を押されてしまった少女でした。
「私は……嘘なんて、吐いてません。吐いてないんです……ッ」
泣きながらそう訴える彼女に、ロイドは問いかけます。
「その言葉、神とやらに誓えるか?」
「誓います!」
その答えを信じて、ロイドは神官騎士たちに剣を向ける。
そして、これまで誰にも止められなかった〈呪印〉の暴走を、ルーシャはその腕で抱きとめて、鎮めてしまうのです。
追われる身になったふたりが目指したのは、ロイドの生まれ故郷である廃村。床は抜け、壁は穴だらけ、ベッドもボロボロ。そんな場所から、黒剣士ロイドと白聖女ルーシャの新しい暮らしが始まります。
■主な登場人物
◆ロイド=ヴァルト
黒髪紅眼の剣士。〝影の一族〟の末裔で、一族の血を継ぐ者にしか抜けない魔剣〝ルクード〟の使い手。剣の腕は一流なのに、〈呪印〉のせいで人に恐れられ、誰とも心を繋げられずに生きてた。
口はぶっきらぼうで、自己評価も低め。でも面倒見はやたらといい男です。勇者パーティー時代、買い出しも道案内も手続きも全部ひとりでこなしていたという影の実力者。影の一族だけに。ってコラ。
ルーシャのことは〝聖女様〟として大事に扱おうとするんですが……一緒に暮らしていると、なかなかそうもいかなくなってきます!
◆ルーシャ=カトミアル
白銀の髪に浅葱色の瞳の〝白聖女〟。解呪、治癒、結界はもちろん、壊れた物を元に戻す〈修繕魔法〉まで使いこなす、チート級の神聖魔法の使い手。
修道院育ちなので、料理や薬草の知識はお手のもの。その一方で、馬には乗れないし、虫は苦手だし、男女のあれこれにはとことん無自覚(?)。
ちなみに、彼女がときどき口にする「そですか」は誤植ではなく口癖です。念のため。
ほかにも、見た目は十歳そこそこなのに実は三十歳のショタ商人・クロン、ロイドを追放した勇者ユリウス、その仲間の魔導師エレナと回復術師フランなど、癖のある面々が登場します。挿絵で見れるヨ。
■作者として推しポイント
◆「呪い」を「優しさ」と呼んでくれる人
この作品の芯にあるのは、ロイドの〈呪印〉です。
解き放てば圧倒的な力が手に入る。けれど一度暴走すれば、敵も味方も関係なく傷つけてしまう諸刃の剣。そのせいでロイドは恐れられ、疎まれ、最後には「お荷物」とまで言われて追い出されました。
そんな彼に、ルーシャはこう言います。
「だって……あなたが力を使う時は、必ず誰かを守る時じゃないですか」
ロイド本人すら気付いていなかったことを、出会ったばかりの女の子が、当たり前のように見抜いてしまう。一巻の中でも、僕が特に好きな場面のひとつです。
自分のことを「誰の救いにもなれなかった」と思っていた男が、初めて誰かに信じてもらえる。この物語は、全部そこから始まっています。
◆廃村ゼロからの、のんびり新生活
タイトルに「のんびり暮らしたい」とある通り、ふたりの新生活もたっぷりと書いております。
ルーシャの〈修繕魔法〉で廃屋が一日で家らしくなったり、廃屋から拾ってきた斧で薪を割ったり、壊れたお風呂をどうにか直せないかと町の大衆浴場の親父さんに相談したり。食卓には、ルーシャが山菜と干し肉で作るスープや、ミルク草で作った〝エセ〟ホワイトシチューが並びます。
暮らしていくにはお金も要るので、ひょんなことから〝なんでも屋〟の話が舞い込んできたりもします。
そして、本作のメイン。ラブコメ要素も外せません。
村長の家に残っていたベッドが、セミダブルひとつしかない。
同衾の意味をたぶん(?)わかっていない(?)聖女様と、理性を総動員して耐える黒剣士。ロイドには申し訳ないけれど、ここは書いていて楽しかったでポイントでした!笑
◆勇者パーティーは、失って初めて気付く
追放ものではおなじみの「その後の勇者パーティー」も、もちろん描いています。
ロイドがいなくなった途端、ダンジョン探索の段取りはぼろぼろ、罠は踏みかける、戦うたびに消耗していく等々。ロイドがどれだけ自分たちを支えていたのかを、エレナとフランは身をもって思い知ることになります。
ただ、単なる「ざまぁ」だけで終わらせたくはなかったので、彼女たちの後悔や迷いもきちんと書きました。勇者ユリウスはなぜあそこまでロイドを目の敵にするのか。国王はロイドの「戦死」を聞いて、なぜあれほど狼狽えたのか。そのあたりも、この先の物語に繋がっていきます。
◆外伝「夜空と、聖女の知らないこと」
巻末には、外伝「夜空と、聖女の知らないこと」を収録しています。
修道院では夜に外を見ることを許されず、星の名前をひとつも知らなかったルーシャ。そんな彼女に、ロイドが星を教える夜のお話です。本編とはまた少し違う、静かな一編になりました。本編を読み終えたあとに、ぜひ。
■この作品が生まれたときのこと
少しだけ、個人的な話をさせてください。
本作は、僕にとって転機になった作品です。
ちょくちょく書いていますが、WEBに投稿する前、僕は作家としてわりとしんどい時期にいました。そんな中で「一回、自分のスタイルを取り戻すために、自由に書こう」と思って書き始めたのが、この物語。
そうしたら、WEB公開から二週間も経たないうちに、ツギクルブックスさんから書籍化のお話をいただいて。そこから、これまでになかったご縁がどんどん繋がっていきました。
なので、僕の中では「縁起のいい作品」でもあるんです。
■イラストはファルまろ先生
イラストは、ファルまろ先生に担当していただきました。
昔からファルまろ先生のイラストが大好きで、候補として名前が挙がった瞬間に全力で挙手しました。お忙しい先生なので刊行は少し先になったのですが……待った甲斐は、本当にありました。
僕の思い描いていたルーシャそのものですし、ロイドもめちゃくちゃかっこいいです。カバーや口絵だけでも、ぜひ書店で手に取って見てみてください。
(担当編集さんとの攻防は、あとがきに書いています。笑)
■最後に
読んで「面白かった」「続きが読みたい」と思っていただけたら、通販サイトのレビューやSNSでの感想をいただけると、とても嬉しいです。作者の励みになりますし、何より、このシリーズを長く続けていく力になります。
ロイドとルーシャのふたりを、どうか見守ってやってください。
それから、同じくツギクルブックスさんから『追放された最強魔導師は、弟子の才女と世界を巡る(https://books.tugikuru.jp/202608-tuihousareta/)』も発売中です。本作とはまた違った面白さのある作品なので、あわせて読んでもらえたら嬉しいです。
■WEB版を読んでくださっている方へ
本作はWEBでも連載しています。
書籍版では、WEB版で番外編として書いていた勇者パーティー側のエピソードを本編の流れに組み込み、文章にも手を入れたうえで、外伝を加えて一冊にまとめました。WEB版を追ってくださっている方にも、改めて通して読んでもらえたら嬉しいです。
■書誌情報
『追放された黒剣士は白聖女と辺境でのんびり暮らしたい』
著:九条蓮
イラスト:ファルまろ
レーベル:ツギクルブックス
発売日:2026年9月10日
定価:1,650円(税込)
https://books.tugikuru.jp/202609-tuihousareta/