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これまでのあらすじ
信濃玲子は自殺を考えて雪山に入っていた。江戸時代から生き続ける玲子の苦痛は不老による社会への不適合であり、孤独な生活にとうとう耐えられなくなってしまったのだ。しかし、その途中で砂海綾人を見かけ、一目惚れをしてしまう。
綾人はどこにでもいる普通の学生で、突如として現れた玲子を最初は受け入れられなかった。人の寿命の何倍も生き続け、偶然見かけた綾人に一目惚れをした。それが出来すぎた話だと感じたからである。しかし、玲子が長生の末に獲得した神通力を目の当たりにし、半ば強制的に信じるしかなくなってしまう。玲子は自らを妖狐と呼称していた。
綾人は玲子の孤独を解消する上で協力を約束し、その結果、不思議な共同生活を強いられることになった。玲子は綾人に拒絶されなかっただけで満足できた。しかし、綾人の考えは同じ境遇の人間を探すほか解決する道はないと異なっていた。この世には怪異と呼ばれる人ならざる化物がいて、人目を避けて主に裏社会で暮らしている。そこには玲子と同じ境遇の人間もいるかもしれなかったからである。
しかし、裏社会とは異質な世界であり、表社会では非合法とされる行為が広く容認されている。綾人と玲子は吸血鬼との接触をきっかけに、そんな裏社会の闇へと巻き込まれていくのだった。
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